出し子に懲役2年 名古屋地裁
全国17都府県のコンビニ店の現金自動受払機(ATM)で総額18億円以上が不正に引き出された事件で、愛知県内で計380万円を引き出したとして窃盗罪などに問われた同県小牧市、建設作業員、中園竜男被告(28)と同県春日井市、電気工事業、佐橋克哉被告(28)に対し、名古屋地裁(西山志帆裁判官)は5日、懲役2年(求刑・懲役3年)の実刑判決を言い渡した。
これまで両被告は「全国で行われた組織犯罪とは知らなかった」と主張。しかし、西山裁判官は事件直前に渡された偽造クレジットカードの暗証番号が全部同じだったことなどに言及し、「何らかの犯罪組織が手引きしていたと十分理解できたはずだ」と指摘した。
両被告は現金引き出し役の「出し子」で、5月31日に一連の事件で初めて逮捕された。判決によると、両被告は5月15日朝、県内のコンビニ7店舗のATMで不正なカードを使い、現金計380万円を引き出した。【金寿英】