国民年金が未納のままだと差し押さえされる?払えない場合はどうしたら良いの?
国民年金は20歳以上になれば原則全ての日本国民が強制的に加入させられます。
企業に勤めている方であれば、厚生年金へと切り替わる事になりますが、ブロガーさんなどの個人事業主やフリーターなどは国民年金保険料を毎月納付しなければなりません。
僕は法人組織にしているので厚生年金ですが、会社のお金も個人のお金も自分で管理しているようなものなので、厚生年金がめちゃくちゃ高く感じます。
そんな事はさておき、フリーランスの知人が国民年金保険料を未納にしていたら「特別催告状」が送られてきたので、この機会に「国民年金を未納のままにしておくとどうなるのか?」について調べてみました。
目次
国民年金を未納のままにしておくと「特別催告状」が届く
国民年金を約8ヶ月未納にしていた知人の元に、以下の封書が届きました。
薄い赤色の封書で、「大切なお知らせです。必ず開封してください。」と書かれています。
「親展」とも書かれていますし、赤色ですし、見逃さない様な工夫がされているような気はしますね。
中には、「特別催告状」と書かれた手紙が封入されており、納付状況などの記録が書かれています。
この手紙を読んでいて気になった点が二つほどあります。
一点目は、「期限までに保険料が納付されない場合は、強制徴収を開始する事があります。」と書かれている事です。
強制徴収、つまり差し押さえになると思うのですが、実際に国民年金を未納のままにしていて差し押さえられた人はいるのか?いるのであれば、どれくらい未納のまま放置していたのかが気になります。
二点目は、「期限までに全額納付できない場合は、下記の期間にお近くの年金事務所までご来所いただくか、お電話でご相談ください。」と書かれている事です。
つまり、「支払いが困難な場合には猶予期間を与えたり、少しずつ分割払いで支払っていきましょう」という事かなと思うのですが、実際はどうなのでしょうか。
国民年金が未納のままで差し押さえられる事はあるのか
僕の身の回りには、「国民年金未納にしてたら差し押さえられちゃった!」なんて人はいませんので、とりあえずネットを中心に探してみる事にしました。
するとですね、結構年金未納で差し押さえられた人は多い様です。
僕的には結構意外で、年金未納者って年々増え続けていて、それでいて「月1万5千円程度」なので、正直コストや手間を考えたら差し押さえなんてほとんど無いんじゃないかと思っていました。
経済力がある人って大体厚生年金加入者ですし、差し押さえてもどうにもならない気もするのですが、実際はどうなんでしょうか。
差し押さえに至るまでの流れ
もちろん、差し押さえは急に来る訳ではありません。
国民年金の場合、差し押さえに至るまでの流れがあります。
Step1.特別催告状の送付
僕の知人に届いた封書が、「特別催告状」ですね。
知人に送られてきた事や、ネット上の経験談を読んでいく限り、「年金を約1年未満で未納している者」に対して送られている様です。
この特別催告状が届いた時点で未納分を全て支払っておくのがベストで、次の段階まで進んでしまうとかなり厄介な事になりかねません。
Step2.最終催告状の送付
「特別催告状」がグレードアップして、「最終催告状」が届きます。
「最終」という名が付いた通り、ここをスルーしてしまうと、差し押さえまでは一気に進んでしまいます。
「最終催告状」も本物を見たかったのですが、手に入れる事も出来なそうですので、実際に届いた方の写真を読んでいると、結構書かれている文面もキツイ口調になっているのが分かります。
中にどんな事が書かれているかというと、「このまま支払いをしないままでいると、あなたの配偶者や世帯主の給料や財産を差し押さえる場合もありますよ?」といった感じで、つまり「周りにも迷惑がかかる可能性がありますよ?」といった内容です。
ホントに本人以外の財産が差し押さえられる事なんかあるのだろうかと思うのですが、Yahoo!知恵袋で以下の様な質問を見つけました。
「本日、私の年金の未納分の差し押さえを督促状は来ていたのですがお父さん – Yahoo!知恵袋」
質問者が年金を払わないままでいたら、父親の口座を差し押さえられて、年金未納分を引き落とされたといった内容です。
こういったケースがあるくらいですから、配偶者の口座の差し押さえくらいは行われるのかもしれませんね。
Step3.督促状の送付
「督促状」が届いてしまうとほぼアウトです。
何故なら、「督促状」が届いた時点で、あなたの年収や勤務先等は全て調べ上げられていて、支払い能力がある人にしか督促状は送付されないからです。
支払い能力のない人に対して差し押さえしても仕方がない事ですので、差し押さえしてしっかり未納分を回収出来る人間にしか送られていない、つまり、「必ず差し押さえに行くから待ってろよ」といったメッセージと受け取っても良いでしょう。
もう督促状が来た時点で差し押さえされるのはほぼ確実と思って良いので、この時点で払えるのであれば払ってしまいたい所です。
Step4.差し押さえ予告通知の送付
差し押さえというと急にやってきて強制的にどんどん財産を持って行く、というイメージがありますが、実はそうではありません。
差し押さえ予告通知と言うものが送付されてきて、「財産の滞納処分(差押、公売)に着手します」と予告してきます。
一応この時点でも、滞納保険料を支払う意思があるのであれば、至急申し出てくださいという文言もあり、何だかんだで猶予たっぷりだなという印象を受けます。
こういった情報はネットに出れば誰でも入手する事が出来るので、ここまでは払わなくて大丈夫だなと思ってしまう人も多いような気もしますが。
Step5.強制執行
ここでようやく強制執行、つまり差し押さえが行われます。
対象となるのは現金や預貯金、給料、車などで、自営業者の場合は売掛金も対象となります。
実際差し押さえに来た職員にどんなに言い訳や駄々をこねても、ここに至るまでかなりの段階を踏んでいますし、もう強制力がある事なのでどうしようもないです。
更に、強制執行にまで至ると、未納保険料に対して延滞金が課せられます。
これは最初に送付される「特別催告状」にも書かれていますが、未納保険料に年14.6%の割合、納期限の翌日から三月を経過する日までの期間については年7.3%の割合で延滞金が課せられます。
これはカードローンやリボ払いレベルに相当する、かなり大きいペナルティと言えます。
国民年金が払えない場合はどうしたら良いの?
自営業者の収入が減ってしまったり、失業等で国民年金を支払うのが困難になってしまう状況は起こり得ると思いますし、仕方のない事です。
だからと言って、催告状が届いてもそのまま放置にしておくのはいけません。
国民年金を支払うのが難しい場合は、「保険料免除・納付猶予」という制度があり、この制度を利用したり、年金事務所に相談に乗って貰いましょう。
詳しくは日本年金機構HP内の、「保険料を納めることが、経済的に難しいとき」というページを参考になさってください。
国民年金の加入と納付は義務だから支払おう
国民年金の加入と納付は国民の義務ですし、大半の大人は払っている訳ですから、払いたくないからと言って払わないというのはどうなのかなと思います。
確かに年金の運用には不安があるかもしれませんが、決められているルールですし、それに納得出来ないなら選挙で変えるくらいしかないでしょう。
厚生労働省の「平成26年度の国民年金の加入・保険料納付状況」を見る限り、平成26年度の納付率は63.1%とかなり低いですね。
僕は厚生年金ですが、毎月払っている身としては、年金事務所もっとガンガン差押えしても良いぞと思ってしまいますが・・・。