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 シリア北部で部隊を展開するトルコ軍と、同軍の支援を受けるシリア内戦の反体制派「自由シリア軍」は4日、トルコ国境沿いの過激派組織「イスラム国」(IS)の最後の支配地域を制圧した。複数のトルコメディアが報じた。ISはトルコ側から物資や戦闘員を補給する道路や拠点を全て失ったとみられ、苦しい立場に追い込まれた。

 トルコ国境沿いのIS最後の支配地域だったのは、シリア北部ジャラーブルスから同アアザーズ間の約90キロの地帯。トルコは以前から同地域に「『テロリストの回廊地帯』ができることは認めない」(エルドアン大統領)と主張してきた。

 トルコ軍は8月24日、ジャラーブルスに侵攻し、対IS掃討作戦を展開。今月3日には約60キロ西方のシリア北部ライに侵攻し、戦線を広げた。数十両の装甲車両と特殊部隊を派遣し、戦闘機の空爆で優位に戦いを進め、作戦開始から12日間で同地域を制圧した。

 ただ同地域は、トルコがISと同様にテロ組織に指定する、少数民族クルド人の組織「民主統一党」(PYD)の勢力圏に東西を挟まれており、今後、トルコ軍とPYDの緊張が高まる恐れがある。(イスタンブール=春日芳晃

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