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 オバマ米大統領が主要20カ国・地域(G20)首脳会議出席のため大統領専用機で中国・杭州の空港に到着した際、取材規制を巡って米中当局者がどなり合う一幕があった。テロ防止のため厳戒態勢を敷く中国だが、米国側とのトラブルが目立っている。

 AP通信などによると、3日に専用機で到着したオバマ氏に対し、通常用意される赤じゅうたんの移動式タラップがなかった。オバマ氏が報道陣が待つ場所とは離れた備え付けの階段を下りたため記者たちが近づくと、中国当局者は制止。いつものやり方ではないと訴えるホワイトハウス女性職員に「ここは我々の国だ」「我々の空港だ」と叫んだ。オバマ氏に近づこうとしたライス大統領補佐官でさえ遮られたという。

 この1時間ほど前にも、空港内に入る手続きに時間がかかり米中当局者が殴り合い寸前になった。会談冒頭取材に入る記者の数や立ち位置についても中国側は厳しく規制している。

 もっとも、オバマ氏にタラップが用意されなかったのは米国側の要請だったという香港紙報道もある。オバマ氏は4日の記者会見で「報道が我々の仕事にアクセスすることは重要だ」としつつ、米国や他国でも同様のことは起こり得るとして、事態の沈静化に努めた。(杭州=冨名腰隆)

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