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【緊迫・南シナ海】
中国船、G20の最中になぜ集結? 習近平氏、議題から「封殺」のはずが…各国の神経逆なでのチグハグぶり
マニラからの報道によると、フィリピンのロレンザーナ国防相がスカボロー礁の周辺で中国船の存在を確認したのは3日。フィリピンの神経を逆なでしたのは、中国海警局の公船と軍の輸送艦とみられる2隻に加え、南シナ海で以前、大規模な埋め立てが行われた際に確認されたのと同様の浚渫(しゅんせつ)作業船4隻が存在することが判明したためだ。
ロレンザーナ氏は、「(中国の主張を全面否定した)仲裁裁判所の裁定にもかかわらず、明らかに軍事基地になる建設を続行している」と中国を批判した。
今回の動きが、習指導部の意向をどこまで反映した挑発行為なのかは明らかでない。共産党内部も一枚岩とは言えず、軍の一部による習指導部に揺さぶりをかける行動の可能性もある。
いずれにせよ、共同声明を取りまとめる5日のG20首脳会議の場でこの問題が指摘され、南シナ海問題をめぐる対中非難の声が相次げば、混乱も予想される。