キルギスの中国大使館で車が爆発 自爆テロか

中央アジア・キルギスの首都ビシケクにある中国大使館で門を突き破った車が敷地内で爆発してキルギス人の職員3人がけがをし、地元の治安当局は、中国大使館を狙った自爆テロと見て捜査しています。
キルギスの首都ビシケクにある中国大使館で、30日午前、門を突き破って敷地内に入った車が爆発しました。
キルギスのラザコフ副首相によりますと、この爆発で、中国大使館のキルギス人職員ら3人がけがをして病院で手当てを受けているほか、車を運転していた男がその場で死亡したということです。また、この爆発で、大使館の近くの住宅でも、窓ガラスが割れるなどの被害が出たとしています。
キルギスの治安当局では、中国大使館を狙った自爆テロと見て、死亡した男の身元について調べるとともに、31日のソビエトからの独立記念日を前に警戒態勢を強めています。

キルギスでは、若者の貧困といった社会問題を背景に、過激派組織IS=イスラミックステートなどが浸透をはかっています。また、ロシアのインターファクス通信は、キルギスに隣接する中国、新疆ウイグル自治区のイスラム教徒と関係があるという見方を伝えています。

中国が事件の解明急ぐよう求める

中国外務省の華春瑩報道官は、30日の定例の記者会見で、3人のけがについて「軽傷だ」と説明しています。そのうえで、華報道官は「中国はこのことに大変驚がくしていて、極端な暴力行為を強く非難する。われわれはキルギスの関係部門に対して徹底した捜査を行い、速やかにその結果を公表するよう要請している」として、事件を非難するとともに、キルギス側に背景などの解明を急ぐよう求めたことを明らかにしました。