米国防長官 トルコ軍とクルド人勢力 双方に不戦求める

米国防長官 トルコ軍とクルド人勢力 双方に不戦求める
アメリカのカーター国防長官は、シリア国内で過激派組織IS=イスラミックステートに対する軍事作戦に参加するトルコ軍とクルド人勢力の間で戦闘が起きたことを受け、両者に互いを攻撃しないよう求めました。
過激派組織ISに対する軍事作戦では、先週、アメリカ軍の支援を受けたトルコ軍が、シリア領内に地上部隊を展開させ、ISの拠点を制圧するなど作戦の強化に乗り出す一方、アメリカはトルコと敵対関係にあるクルド人勢力についても、対ISの作戦にとって欠かせない戦力だとして支援を続けています。
こうしたなかトルコ軍は、地上部隊の派遣をきっかけにシリア国内のクルド人勢力への攻撃を強化し、双方の対立が激化するとの懸念が高まっています。
これについてアメリカのカーター国防長官は29日、記者会見で「双方に互いを攻撃しないよう呼びかけた」と述べ、トルコとクルド人勢力双方に戦闘をやめるよう求めました。そしてトルコに対しクルド側への攻撃中止を求める一方、クルド側に対しても、トルコ軍が展開する地域の近くから撤退するよう求めたことを明らかにしました。
トルコは、クルド人勢力がトルコ国内でテロを起こしているクルド系武装組織につながっているとして、国境を接するシリア領内で支配地域を広げることに強く警戒しています。アメリカとしては、同盟国トルコとクルド人勢力という双方の協力を取り付けながら対ISの作戦を進める難しい立場に立たされています。