ウズベキスタン大統領が脳出血 派閥間で権力争いも

中央アジアのウズベキスタンで、ソビエトからの独立後、25年間、在任し続けているカリモフ大統領が脳出血のため集中治療室に入っていることが明らかになりました。これまでみずからに権力を集中させてきただけに、今後、国内の派閥の間で権力争いが激しくなり、イスラム過激派対策に影響が出るとの見方も出ています。
ウズベキスタン政府は、カリモフ大統領が入院しているとする異例の発表を28日に行いましたが、大統領の次女ローラさんも29日、フェイスブックを通じて脳出血のため集中治療室に入っていることを明らかにしました。この中でローラさんは「現在、安定しているが、これから先どうなるかわからない。父のために祈ってくれればありがたい」と書き込み、大統領の容体が深刻であることをうかがわせています。
カリモフ氏はソビエト時代に地元の共産党のトップになり、ウズベキスタンがソビエトから独立したあと、憲法改正によって25年間、大統領に在任し続け、みずからに権力を集中させてきました。このため、治療が長期化して政治的な空白が生じた場合、国内のそれぞれの地域を基盤とする派閥などの間で権力争いが激しくなり、隣国のアフガニスタンから浸透を図るイスラム過激派への対策に影響が出るとの見方も出ています。