核実験場閉鎖25年 カザフスタンで核軍縮の国際会議

中央アジアのカザフスタンで、ソビエト時代の核実験場の閉鎖から25年になるのを記念して核軍縮の国際会議が開かれ、ナザルバーエフ大統領が、核兵器のない世界の実現に向け、国際社会が協力し、具体的な措置をとるべきだと訴えました。
カザフスタン北東部にあるセミパラチンスク核実験場では、ソビエト時代の40年間に450回以上の核実験が行われ、周辺地域の住民など150万人が健康被害を受けたとされています。
カザフスタンの首都アスタナで29日、この核実験場が閉鎖されてから25年になるのを記念して核軍縮の国際会議が開かれ、地元メディアによりますと、日本やアメリカを含め、およそ50か国の代表が参加したということです。会議では、カザフスタンのナザルバーエフ大統領が演説し、「核兵器のない世界の実現は、次世代の幸福と繁栄のために必要だ」と述べました。そのうえで、核兵器そのものの禁止や、廃棄の時期を明確にした包括的な条約づくりの検討など、核兵器のない世界の実現に向けて国際社会が協力し、具体的な措置をとるべきだと訴えました。
核軍縮をめぐっては、今月19日、国連の作業部会が核兵器そのものを禁止する新たな条約の交渉を来年にも始めるべきだと国連総会に勧告することを決めましたが、アメリカやロシアなどの核保有国は作業部会への参加を見送っています。