G20首脳宣言骨子案判明 機動的な財政政策実施など打ち出す

G20首脳宣言骨子案判明 機動的な財政政策実施など打ち出す
k10010668961_201609041506_201609041508.mp4
中国で開幕するG20サミットで採択される首脳宣言の骨子案が明らかになり、世界経済の成長に向けて、「金融、財政および構造政策を個別にまた総合的に活用する」としたうえで、構造改革の重要性を強調しつつ、機動的に財政政策を実施することを打ち出し、各国の協調姿勢をアピールする内容となっています。
主要20か国の首脳ら出席するG20サミットは4日夕方、中国浙江省の杭州で開幕し、首脳間の討議の成果を反映させた首脳宣言を、5日の閉幕に合わせて採択することにしています。
これを前に、各国の間で調整が進められている首脳宣言の骨子案が明らかになりました。
それによりますと、前文で「世界経済の回復は継続しているが、引き続き成長は期待よりも弱く、下方リスクも存在している」としたうえで、各国が協調して世界経済の成長を目指す方針が明記されています。
そして、「持続可能で均衡ある成長を達成するため、金融、財政および構造政策を、個別にまた総合的に活用する」とともに、「構造改革の重要な役割を強調しつつ、財政政策が同様に重要であることを強調し、機動的に実施する」などとしています。
さらに「為替レートの過度の変動や無秩序な動きは経済・金融の安定に悪影響を与えうることを再確認」し、「通貨の競争的な切り下げを回避し、競争力のために為替レートを目標としないことを再確認する」としています。
さらに、イギリスのEU=ヨーロッパ連合からの離脱決定について、否定的な影響を最小化するための取り組みを支持し、イギリスとEUとの間で緊密な協力が行われることを希望するとしているほか、地球温暖化対策の枠組み「パリ協定」について、早期に参加するための国内手続きを完了することにコミットし、2016年末までの協定の効力発生を呼びかけるとしていて、G20各国の協調姿勢をアピールする内容となっています。
また、骨子案にはG20サミットの今後の開催地について、来年はドイツ、再来年はアルゼンチンで開催することも明記されています。