2016年07月29日

ルーミー愛の詩(ラッバイカ)

癒しのミュージアム by磐田の整体「氣の泉」
ルーミー(1207年9月30日~1273年12月17日)は、ペルシャ語文学史上最大の神秘主義詩人であり、「愛の旅人」とも呼ばれています。

「ラッバイカ」

夜、その男は一心に神を念じていた。 –– 「アッラー!」
繰り返される御方への賛美で、彼の唇は甘く熟した。

–– 何とまあおしゃべりな男よ。

話しかける者があった。悪魔である。

–– 「ラッバイカ」とのお返事はどこだね。
アッラー!アッラー! おまえが幾度呼んだところで、
玉座からは一度も、「ラッバイカ」と返ってきやしない。
いつまでアッラーを呼ぶつもりだね、そんな厳しい顔をして。

すっかり心を砕かれた男は、あきらめて横になり眠りについた。
すると夢とも思えぬ鮮やかさで、ハディルが顕われた。

–– おまえに問う、何ゆえに神への賛美をためらうか。
何ゆえに悔やんで悲しむのか、かれの名を呼び続けたことを。

男は答えた。
–– いいえ、ただ「ラッバイカ」とのお返事が頂けないものですから。
開かぬ扉を前にして、立ち去るべきかと思ったまででございます。

ハディルは答えた。
–– それは違う。聞け、あの方からの伝言だ。



おまえが「アッラー」と呼べば、
それがわれの「ラッバイカ」である。
おまえが胸に抱く想いも嘆きも憧れも、
おまえの胸にあっておまえのものではない。
それらは全てわれよりの使いであると知れ。
おまえの畏れ、おまえの愛が、
われの好意を捉える投げ縄となる。

見よ、おまえが送り届ける「アッラー」のひとつひとつに、
われからの「ラッバイカ」がひそませてあるのを。




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Posted by 氣の泉 at 16:03 │ポエム