「北朝鮮の核を嫌悪していた中国の大衆の間からは『高高度防衛ミサイル(THAAD)が配備されるなら、北朝鮮の核を許容すべき』という声まで上がっている」(トウ聿文・『学習時報』元副編審)
「北朝鮮の核の脅威は重大で、中国が遠ざかっていくのなら、韓国としては米国にもっと近寄るしかない」(金永煥〈キム・ヨンファン〉『時代精神』編集委員)
ソウル市鍾路のソウル・グローバル・センター国際会議場で1日午後、第1回韓中ソウル平和フォーラムが開かれた。この席で韓中の専門家らは、両国関係改善が必要という点では意見が一致したが、「THAAD配備」をめぐっては大きく意見が分かれた。「韓半島(朝鮮半島)情勢の診断と発展的韓中関係の模索」をテーマに開かれた今回のフォーラムは、「統一と分かち合い財団」(安秉勳〈アン・ビョンフン〉理事長)の後援で開催された初の学術セミナーだ。
金永煥氏は、1日の基調発表で「親類も側近も一朝にして処刑してしまう金正恩(キム・ジョンウン)が、核兵器だからといって使わないということがあるだろうか」と発言した。するとトウ聿文氏は「北朝鮮は、THAADによってさらに不安を感じ、挑発に乗り出しかねない。また、韓国がTHAADを配備するなら、中国は(冷え込んでいた)北朝鮮との関係を調整するしかない」と反論した。
世宗研究所中国研究センターの李泰桓(イ・テファン)センター長は「中国は、韓国が韓中関係に傾けてきた努力は評価せず、THAAD配備を韓米日ミサイル防衛(MD)システム構築への布石と疑っている」と指摘した。