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東方修羅伝 作者:鬼丸麗華

第1章 猫かぶりな侵入者

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第1話 因果の始まり

第1章
第1話 因果の始まり

世の中の全ての生き物は何かしらが出来る、運動だったり、知能だったり、器用だったり、様々だ。
しかし、もし何にも出来ない者がいたら、それは正に地獄だ。
弄られて、馬鹿にされて、罵られて、世間から離される。
これは、その様な少年が全てに対する復讐劇、そう、下剋上の始まり。


ーーーーー何にも出来ない
ーーーーーならば無意味な存在
ーーーーーいる価値がない
ーーーーー必要されない



「・・・・・そんなの御免だ!」
少年が呟く、その眼の奥にはまるで、今にも世界を焦土に焼き尽くしたいと言わんばかりの憎悪と怒り。
「覚えてろ、何時か後悔させてやるからな!」
体力も無ければ点数も良くない、周りからは馬鹿にされ、友達もいない、そんな哀れな少年が山の上から街を睨み付けた。

周りから馬鹿にされ、嫌われて、ついには親からも見捨てられ、そんな生活を飽き飽きにして山に逃げ込んだ。

少年は森の奥に消えた。

暫く歩いたら霧が出て方向が分からなくなり少年は勘を頼りに進む。
「・・・・とうとう神にまで見放されたか」
「・・・・まぁいい神も復讐対象にするか、クックック」
狂気混じりの笑いをしつつ奥へ奥へと。暫くすると霧が晴れ、月が出て方向が少し分かりやすくなった。
「しかし参ったなぁ〜、野宿は避けたいけど洞窟が無いなぁ〜」
愚痴を漏らす。ふと、前を見ると少し古めかしい店が立ってあった。
「・・・・こんな山ん中に店か・・・面白い」
少年は警戒しつつ店に近寄る。店の前まで来た、看板には香霖堂と大きく書かれてあった。
「こうりんどう?・・・・聞かない名だな」
少年は戸を開け、中に入って行った。
「誰か居るか?」
すると奥から少年と同じ位の背丈の男性が出てきた。
「誰だ?こんな遅い時間に・・・・あれ、君は・・・」
男性は少し驚きながら少年を見る。
「・・・・始めて見る客だね」
「まぁ、始めて会ったからなぁ、自己紹介する、鬼丸九十九です」
「ご丁寧にどうも、この店の店長の森近霖之助、今後お見知りおきを、さてご用件は?」
「そうね、まずここは何処かを知りたい」
「ここは何処?あぁなるほど君は外来人か」
「つまり、異界か?それとも・・・幻想郷・・・かな?」
霖之助は少し驚いた。
「ご名答、いかにもここは幻想郷だ・・・にしても君は何でここの名を知っているかね?」
霖之助は興味津々に俺に聞いた。
「外の世界で少しの知識がある、興味本意で覚えた」
「なるほど、なら話が早い、君の様な外来人は他にも居たが君はどうしたい?外の世界に戻るか?」
「いや、戻らん!此処で強くなるまでは戻らん」
「ふーむ、ならば明日人里に送ろう、今夜は此処に泊まりな」
「では好意として今夜は泊まらせてもらいます、とは言え、ただでは済まない、貴方の知りたい事を出来る範囲で答えましょう」
「では商談成立という事でいいかな?」
「あ、その前に聞きたい事が有るんだかいいかな?」
「どうぞ」
「此処は武器も売るか?」
「ええ、多少なら・・・・」
「なら、売ってくれないか?もちろんタダとは言わない、物々交換でどうかな?」
「良いでしょう、では此方へ」
霖之助は俺を武器庫に案内した。刀、薙刀、流星鎚、三節棍、大剣、双剣、アサシンブレードまである。
「ある程度知ってるけどやっぱりえげつないね、貴方の収集力・・・」
「いえいえ、それ程でも無い」
謙遜な顔で微笑む霖之助であった。
「で、どれに致しますか?もちろんそれなりの物と期待してますから」
「そだね、これとかはどうかね?ステレス鋼で出来た二重保温コップ熱い水で火傷もしなければ冷水て露ができる心配も無い、幻想郷には無い代物だ」
「ほーお中々珍しい物ですね・・・良いでしょう、それで武器1つでどうかな?」
「まぁ、慌てるな、もう二つ有るから、もう一つはこれ、鉛筆2ダース、筆と違って消す事が出来る上に絵かきに最高だ、まぁ消す道具はおまけで」
「ふーむ、さっきと違ってそこまで珍しく無いが幻想郷では入手し辛い物だし、おまけも付けてくれたから、うーむ・・・・分かったそれで行こう」
「分かった、最後はちょと変わった物だが多分一番入手し辛い物だ、ちょと待ってよ」
俺は鞄の奥に手を突っ込ん。
「あったあった、これだ、朝鮮人参だ、薬剤だが野生のは目玉が飛び出るくらい貴重だから一つしかあげられないが、良いかな?」
「良いでしょう、見たところ中々の年月が経った物に見えるから良しとしよう」
「では武器を3つという事で良いかな?」
「ええ、そうですね、因みにさっきの朝鮮人参はどれ位の物かね?」
「だいたい700年位かな?もう殆ど人に近い形だからそれ位かな?」
「・・・・とんでもない物だな・・・」
「まぁ、正直俺もかなりびびった・・」
「・・・とにかく好きな武器を選びな」
「では、太刀、双剣、アサシンブレードでお願いします」
「承知した、一番良いやつをあげよう、そうで無いと対価が合わないから」
「ありがとう」
それから、霖之助は俺に外の世界に対する質問を夜中まで聞いたのはまたの話。

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