シリアの文化財の保護考えるシンポジウム

シリアの文化財の保護考えるシンポジウム
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内戦が続くシリアで過激派組織による破壊や盗掘の被害を受けている文化財をいかに保護するかについて考えるシンポジウムが都内で開かれ、シリア文化省の担当者が遺跡の保護や修復への支援を訴えました。
シリアでは、過激派組織IS=イスラミックステートによって世界遺産に登録されているパルミラ遺跡の主要な建造物が破壊されたり、内戦の混乱に乗じた貴重な文化財の盗掘や密売が繰り返されるなど、文化財の保護が大きな課題となっています。
こうした現状を知ってもらおうと、シリアで遺跡の発掘調査に関わってきた日本人の考古学者が呼びかけて、3日、都内でシンポジウムが開かれました。
参加したシリア文化省の幹部のアフマド・ディーブ博物館局長は「シリア各地の遺跡で文化財が不法に盗掘され、インターネット上で売買されている」と述べ、貴重な文化財の盗掘や密売が繰り返されていると指摘しました。
また、北部の激戦地アレッポでは150を超える歴史的建造物が戦闘の被害を受けているとして、「多くの遺跡が破壊される中、文化財を守るにはただならぬ労力が必要だ」と述べ、国際社会の支援を求めました。
日本の考古学者のグループは、シリアでの発掘調査の際に撮影した写真などを基に破壊された遺跡を3Dデータで再現する取り組みも行っていて、今後の修復作業に役立てたいとしています。