漫画家秋本治氏(63)が3日、東京・神田明神で行われた「こちら葛飾区亀有公園前派出所」(こち亀)の連載40周年記念イベントで、同作品の連載終了を発表した。集英社の「週刊少年ジャンプ」で1976年(昭51)9月から40年間にわたって連載してきたが、17日発売の同誌42号が最終回となり、同日に発売する単行本第200巻が最終巻となる。

 突然の発表だった。秋本氏は「びっくりさせて申し訳ないです」と言い、「少年誌で40年も連載されるのは、まずありえない。作家としてうれしい。ネタはまだまだたくさんある。いつまでも描きたい気持ちはある」と話す一方で、「(200巻という)おめでたい時に終わるのが一番かなと考えた」と決断した心境を明かした。さらに「(主人公の)両さんはお祭り好き。区切れの200でパッと身を引くのもいい。40周年で祝ってもらった時にスッと消える感じがやっぱり両さんらしい。一番いい大団円の場かな」と続けた。

 連載は終了するが「時々遊びに行くくらいでもいいかも知れません」と不定期で掲載される可能性があることを示唆した。

 「こち亀」は東京の下町の派出所に勤務する警察官・両津勘吉を主人公にしたギャグマンガ。ギャンブルやゲーム、プラモデルなど幅広い趣味を持つ型破りなキャラクターや、各回読み切りのストーリーが幅広い世代に愛された。コミックスは累計で約1億5000万部を売り上げている。40年間続いた連載は1度の休載もなかった。テレビアニメシリーズが96年から04年まで放送され、SMAP香取慎吾(39)主演でドラマ化、映画化もされた。

 この日のイベントでは、漫画にもたびたび登場する神田明神に、書き下ろしのイラストによる全長約8メートルの絵巻を奉納した。(共同)