ロシア極東 海の動物を救え!

ロシア極東 海の動物を救え!
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この季節、ロシア極東のサハリンには、アザラシやトドの群れが訪れ、人々の目を楽しませていますが、近年は衰弱して保護されるケースが増えています。こうした海の動物を救うため、立ち上がった男性がいます。
ロシア極東のサハリンの沖合には、毎年春から秋にかけて、アザラシやトドがサケやニシンなどを求め、回遊してきます。ところが、近年、こうした動物が衰弱した状態で見つかり、保護されるケースが相次いでいます。なかでも増えているのが、アザラシの赤ちゃんです。アザラシは、生後およそ1か月の間、流氷の上で成長しながら、泳ぎ方や魚のとり方を覚えます。アザラシが生きる上で欠かせないその流氷が、サハリン沖では地球温暖化によって30年前の半分近くにまで減少しているのです。

危機にさらされているアザラシの赤ちゃんを守ろうとサハリン南部のホルムスクに住むアレクサンドル・イワノフさん(41)は、サハリンで初めてアザラシの保護活動に乗り出しました。自身の生活を切り詰めて、えさの魚を買い、衰弱したアザラシに与えているほか、自然に帰れるように手作りのプールで泳ぐ訓練をさせたりしています。ことしはこれまでに保護した21頭のうち、14頭を無事に海に返しました。

イワノフさんの思いに応えるように、支援の輪も広がっていて、地元の獣医師らも活動に加わっているほか、地元の行政府も、アザラシのための新しい保護施設建設の検討を始めています。イワノフさんは、「活動はようやく広がりつつありますが、まだまだです。これからもっと広げていきたいです」と話していました。