09月02日 20時21分
妊娠20週、5か月くらいまでに感染すると生まれてくる赤ちゃんの耳や目、心臓などに障害が出るおそれがある風疹の怖さを知ってもらいたいと、風疹で障害を負った子どもの母親たちが1冊の絵本を作りました。
絵本のタイトルは「ひとりのちから」です。
わが子を抱きしめる母親の姿が表紙に描かれています。
作ったのは風疹によって子どもが障害を負った母親たちで作る「風疹をなくそうの会」です。
共同代表を務める岐阜市の可児佳代さんは34年前、妊娠初期に風疹にかかり、娘の妙子さんは耳や心臓などに重い障害がありました。
妙子さんは高校卒業を目前に控えた18歳の時、心臓の病気が悪化して亡くなりました。
風疹は今も流行を繰り返し、最近では平成24年から25年にかけて大流行して、45人の赤ちゃんに、目や耳、心臓などの障害が出ました。
そんな風疹の被害が後を絶たない状況を知ってもらいたいと、可児さんたちは自分たちの経験をもとに絵本を制作しました。
子どもがおなかに宿り、幸せでいっぱいのある日、体じゅうに発疹が出て、風疹と診断されたこと。
周りの人や医師から中絶を勧められ、産むか産まないかの選択を迫られたこと。
そして、おなかの赤ちゃんに何度も何度も謝り続けた日々が描かれています。
また、女性だけでなく男性も含め、皆で予防接種をすれば風疹はなくすことができる病気であることも伝えています。
可児さんたちは医療機関の待合室などに置いてもらえるよう協力を呼びかけています。
可児さんは「もう誰もこんな思いをしてほしくない。生まれてくる命には元気で育ってほしいし、お母さんのおなかの中にいるときに病気にかかったという後悔をしてほしくない。ワクチンで防げる病気なんだから、ワクチンで防いであげて未来の命を守ってあげてほしい」と話しています。
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