七回、大和のバントは勢いがつきすぎ…【拡大】
今春、高山、横田の新生1、2番がダイヤモンドをかき回し、メッセンジャーが盗塁して金本野球は始まった。犠打に頼りすぎず、チャレンジ精神をむき出しにして相手に襲いかかる姿は近年、忘れかけていた感覚だった。4月には首位。若虎たちはその後、軒並み壁にブチ当たったが、それと同時に虎の野球におとなしさが目立ってきた。
それでもファンはありがたい。球団幹部によると、主催試合の観客動員数は昨年(287万8352人)を超えることは確実で、最終的には300万人弱になると予想しているという。選手たちは後押ししてくれる虎党のために応えなくてはいけないが、ついに最近10年ではワーストタイとなる甲子園29敗目(20勝1分け)。この日、41度目の逆転勝ちで優勝マジックを「7」とした広島のような勢いはない。五回、ゴメス&中谷の連続弾でベンチを飛び出した将の力強い顔だけが脳裏に焼きついている。
「考えないと、ほんとに…。どうすれば打てるか、チャンスに強くなれるか」
今季ワーストの6連敗。3日も敗れると自力CSが消滅する危機だ。地獄の甲子園。そんなフレーズで終わるのは寂しすぎる。9月、奇跡のCS進出、さらに来季に向けて-。あの「勢い」を思い出してほしい。 (阿部祐亮)