愛知の中学2年 藤井三段が史上最年少でプロ棋士に

将棋のプロ棋士を目指していた愛知県の中学2年生、藤井聡太三段が、3日、プロとなる四段昇段を決め、将棋界では史上最年少となる14歳2か月でプロ入りを果たすことになりました。
藤井聡太さん(14)は、愛知県瀬戸市に住む中学2年生です。
将棋のプロ棋士を養成する奨励会に所属し、去年、史上最年少で三段となって四段に王手をかけていました。
3日、東京・渋谷区の東京将棋会館で、三段の会員29人が争う「三段リーグ」の最終日の対局が行われ、藤井さんは通算成績を13勝5敗で終え、リーグ戦1位となりました。
三段リーグは、上位の2人がプロとなる四段に昇段でき、藤井さんはこのリーグを1期で抜けて将棋界で史上最年少のプロ棋士となることが決まりました。四段昇段のこれまでの最年少記録は、加藤一二三九段が昭和29年に昇段したときの14歳7か月で、来月1日に14歳2か月で昇段する藤井さんは、62年ぶりに記録を塗り替えることになります。

「タイトル狙える位置に」

最年少でのプロ入りを決めた藤井聡太さんは、「自分の実力を出すことだけを考えました。勝った瞬間はあまり実感がなかったんですがだんだん実感がわいてきて、昇段できてうれしいです。過去に中学生で棋士になったのは偉大な方々ばかりなので、自分もそこに並べるように頑張りたいです。これから実力をもっとつけて、タイトルが狙える位置につきたいです」と話していました。

中学生でプロ入り 先輩たちが祝福

将棋界で中学生でプロ入りを決めたのは、記録の残っている戦後ではこれまでわずか4人にすぎません。その4人が、藤井さんの最年少記録達成に、そろって祝福のコメントを寄せました。

昭和29年に14歳7か月でプロとなり、これまで62年にわたって最年少記録を保持してきた加藤一二三九段は、「心より祝福致しますとともに将棋界全体にとっても明るいニュースに喜びを覚えます。現役最年長の私が、21世紀生まれで最年少の藤井四段と対局できると考えるとワクワク致します」とコメントしています。

昭和51年に14歳8か月でプロとなり、最年少名人の記録も保持する日本将棋連盟会長の谷川浩司九段は、「厳しい三段リーグを1期で、最年少の記録をつくったことは、大変素晴らしいことです。高い志を持って精進することを期待しています。棋士個人の立場としては最年少名人の記録が破られるかも注目しています」とコメントしています。

昭和60年に15歳2か月でプロとなった羽生善治三冠は、「これから棋士として注目を集めることになると思いますが、それを乗り越えて歴史に名を残すような棋士になることを期待しています」とコメントしています。

平成12年に15歳11か月でプロとなった渡辺明竜王は、「藤井君は以前から詰将棋の早さなどで話題になっていましたが、三段リーグを1期で抜けたのには驚きました。対戦を楽しみにしています」とコメントしています。