トルコ軍 クルド人勢力へ攻撃を強化 市民に犠牲か

トルコ軍 クルド人勢力へ攻撃を強化 市民に犠牲か
内戦が続くシリア領内で軍事作戦を行っているトルコ軍はクルド人勢力への攻撃を強化していますが、人権団体は28日の攻撃で少なくとも35人の市民が死亡したと伝えました。
トルコ軍は先週から国境沿いのシリア領内に地上部隊を派遣し、北部のジャラブルスから過激派組織IS=イスラミックステートを撤退させたあと、クルド人勢力に対しても攻撃を強化しています。
シリアのクルド人勢力はISとの地上戦を担う主力としてアメリカなどから軍事支援を受けていますが、トルコは国内でクルド系武装組織のテロに悩まされていることから、シリアのクルド人勢力がトルコとの国境沿いで支配地域を広げることを強く警戒しています。

トルコ軍は28日に空爆を行い、クルド人勢力の25人を殺害したと発表しました。一方、シリア内戦の情報を収集しているシリア人権監視団は28日、トルコ軍による空爆や砲撃で少なくとも35人の市民が死亡したと伝えました。

トルコのエルドアン大統領は28日の演説で、「テロ組織に対する作戦は最後まで続ける」と述べ、ジャラブルス近郊以外の地域でも攻撃を行うことを示唆しました。
トルコ軍は市民に犠牲が出ないよう細心の注意を払っていると強調するものの、戦闘が激化して市民が巻き込まれることへの懸念が強まっています。