みなさん、こんにちは。
ブッダです。
ロクにニュースも見なけりゃ勉強もしない、就職人気ランキング上位だからといってメガバンク・証券・地銀などをテキトーに受けてる情弱就活生たちへ、残念なこと教えてあげる。
メガバンク・証券・地銀あたりに行っておけば、“高給・安泰・勝ち組”なんてもはや幻想なのだが。リーマンショックで半殺しされ、生き返ったと思いきやマイナス金利で虐待され、将来的にフィンテックにとどめを刺されそうな斜陽産業に何しに行くの?
おっと、さすがに言い過ぎだ(笑)
かつての憧れも今や幻。金融エリートの没落
実はこれ、筆者が言い出した話じゃなくて、週刊ダイヤモンド9月3日号『メガバンク・地銀・証券 金融エリートの没落』の内容なんだけどね。今回は就活生向けに要約アンド追加の解説をしてあげるよ。
な~んにも考えずに「見てる業界?金融と商社」みたいな見るからに大学生活を無駄にしてきたような思考力に欠ける就活生は毎年いるもんだが、しっかり読んで勉強しろ。
銀行が稼げなくなる理由を今回は解説
雑誌ではガッツリ特集してるんだけど、とりあえず今回は銀行が稼げなくなった理由を説明する。これを読めば最近のニュースをフォロー出来るようになるはずだ。
銀行の収益源の全てにおいて稼ぐチャンスが無くなった
銀行の収益源を知っているだろうか?銀行が何で儲けてるかってこと。銀行の収益源は以下の3つだ。
- 資金利益:融資の利子や有価証券の利回り(69%)
- 手数料収益:金融商品の販売手数料や金融サービスの対価(21%)
- 債券売買益:安く買った債券を高く売ることで得られる差額(5%)
※()内は全収益に占める割合。週刊ダイヤモンド9月3日号から拝借。
実はこの3つ全てで儲けられなくなってきてる。それぞれ細かく見ていこう。
資金利益:マイナス金利で貸出金利が大暴落
マイナス金利ってどういうことか説明できますか?金融志望じゃなくても知ってて常識。就活生はニュース見てるんでしょ?それとも日経新聞読んだフリするのが流行ってんの?
マイナス金利とは、銀行が日銀に預けている金に付く金利がマイナスになることだ。つまり、日銀に金を預けてたら、利子がついて増えるどころか、手数料みたいな形で金をとられるってこと。正確に言うと預けてる金の全額が対象ではないんだが、まあ、銀行は日銀に預けてると損する訳だ。
なんで日銀はそんな意地悪するのだろうか?その狙いは、銀行の金をもっと融資に使ってもらって、経済活動を活発にすることだ。マイナス金利になると、銀行は「金が減っちゃうくらいなら誰かに貸して利子を稼ごう」と思うはずだ。金を借りた人は新たに事業を始める訳で、そこに経済活動が生まれる。
しかし現実は金を貸す相手がいないのだ。貸した相手が倒産したら大損するのだから、誰にでも金を貸していい訳じゃない。皆さんだって、Twitterに湧いてるような“ネットビジネスで成功してバックパッカーライフを満喫”みたいな胡散臭い奴が「金貸してくれ」って言ってきても貸したくないでしょう(笑)。
金を貸すに値するような有望な融資先は少ない。これは日本経済が衰退してるとか、イノベーションに乏しい環境であるとか、構造的な問題で、銀行の手に負える話じゃない。
では、銀行たちはどうするのだろう?答えは簡単で、貸し出しのバーゲンセールが起こる。貸し出しの値段は利子である。「ウチから借りてくださいよ。利子はお安くしますから」と言って、何とか貸し倒れのリスクが低い融資先を奪い合うのだ。すなわち、銀行は価格競争に陥って儲からなくなったのだ。
手数料収益:もはやボッタクリの領域
銀行の本業である融資事業の崩壊はわかって頂けただろう。で、次に銀行が目を付けているのが金融商品の手数料ビジネスだ。金融商品とは投資信託や保険のことで、これらの販売や管理でコツコツ手数料を稼ぐのだ。
しかし、これをやり過ぎたら消費者にとってはボッタクリに等しい。考えてみたまえ。あなたが汗水垂らして社畜やって稼いだなけなしのボーナスをリスクに晒して運用する。ところが、運用で増えた金の大半を銀行に取られる。銀行はあなたの投資に関してノーリスク。運用に失敗しようが成功しようが一定の手数料が必ず入ってくるというオイシイ話なのだ。
だからこんな本も出てるくらいだ。
それに、手数料が適切なのか金融庁にも睨まれている。
【9月3日追記】
こんなブログの記事を見つけた。これが手数料ビジネスの実態である。
別に銀行が投資信託やら保険を売ること自体は悪いことではない。ただ、クソみたいな商品を売っときながら、一定の手数料は確実に頂きますなんてのはボッタクリだ。じゃあ、素晴らしい金融商品なんて作れるのかねっていうと、残念ながらそんなオイシイ話はない。この辺の投資に関する話はそのうちしようと思うが、気になる人は山崎元さんの本を読んでみるといい。筆者はこっちの本を読んだが、金に対するリテラシー向上に役立った。
就活生は平均年収をやたら気にするが、あの額を貰えるのは40のオッサン、オバハンになった時なのだよ。確かに毎月の給料の額も大事だが、税金、保険、投資を勉強して新卒一年目からコツコツ稼ぐ方が、生涯に渡って勝ち組でいられる可能性が高いはずだ。
話が逸れたが、二つ目の収益源である手数料収益も手詰まりだ。
債券売買益:売り尽くせば終わりです
要するに持ってる国債を売って、「昔買った時より高く売れたから儲かったぜ~」と言ってるだけだ。全部売ってしまえばお終い。理由はとりあえず置いといて覚えて欲しいのだが、金利と債券の価格は反対の動きをする。つまり、金利が低い現在は債券の価格が高いのだ。だから銀行はそれを売って儲かったように見せてるが、“持ってたものが偶然高く売れた”だけである。永遠に続くわけではない。
一旦まとめ
銀行の収益源は以下の3つだが、いずれも儲からなくなってる。
- 資金利益:融資の利子や有価証券の利回り(マイナス金利のせい)
- 手数料収益:金融商品の販売手数料や金融サービスの対価(無理矢理儲けるのは不可能)
- 債券売買益:安く買った債券を高く売ることで得られる差額(売ってしまえば終わり)
金融エリート没落の現実
ここまで読んで、銀行が儲からない理由がわかっただろう。最後に、週刊ダイヤモンドが挙げてる没落ポイントを紹介しよう。
- 給与は落ちたまま
- 若手が見限る
- 金融市場の評価は暴落
- 社会的地位の低下
- 需要が激減
このうち、①は自分で社員に話を聞いて調べなさい。週刊ダイヤモンドではリーマンショック前に650万円あった平均年収が今では620万円ってグラフを出してるけど、銀行は一般職も多いし福利厚生が手厚いだろうから、社員の“給与の額面”じゃなくて“暮らしぶり”をリサーチせよ。
②は銀行内部が古臭い凝り固まった組織だから優秀な若手が逃げ出してるって話。これは次回の記事にしよう。
③については、バブルの頃は世界の企業時価総額ランキング上位10社中5社が日本の銀行だった(全世界のランキングでこれだ!)。しかし、今ではメガバンクですら50位以内に入らない(ちなみにトップ10全てアメリカの企業…)。
④については、日本全国で威張れる大手銀行員から、地方で無双で切る地銀、さらには婚活女子が見ただけで失禁する外銀マンまで、エリートの地位が揺らいでるよって話。
⑤は上で説明したけど、貸す先がなくて困ってる話。
次回以降の記事のご案内
金融エリート没落特集はまだまだ続く。気になる人は自分で買って読んでもらえばいいんだが、一応当ブログでは、“金融業界でなくなる職種”の話と“銀行内部のドロドロした人事”の話を記事にする予定(あくまで予定)。
それではこの辺で失礼する。
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