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フィリピン大統領、「無法状態」を宣言 テロ組織に対抗

朝日新聞デジタル 9月3日(土)11時16分配信

 フィリピン南部ミンダナオ島のダバオ市で2日夜にあった爆発で、これまでに14人が死亡し、少なくとも71人がけがをした。警察当局が明らかにした。現地報道によると、イスラム過激派アブサヤフが犯行を認めた。ドゥテルテ大統領は現地から、テロ組織に対抗するための「無法状態」を国中に宣言した。

 民放テレビABS―CBNは同日、アブサヤフの報道担当者が「国中のイスラム戦士の結束のためにやった。数日内にさらに攻撃する」とコメントしたと報じた。

 爆発現場は路面に飲食店などがならぶ夜市で、多くの人でにぎわっていた。犠牲者の中には12~15歳とみられる子どもが含まれていた模様。爆発物の特定はできていない。

 ダバオ市は6月に就任したドゥテルテ大統領の故郷。ドゥテルテ氏は3日、無法状態の宣言は「戒厳令ではない」としつつ、検問や外出時の門限を設けるなど、「皆の安全が再び確保できるまで無法な暴力の状態を宣言する」と述べた。

 明確な説明はしなかったが、麻薬組織撲滅を掲げて警官などによる非合法な殺人を黙認しているドゥテルテ氏が、テロ組織撲滅に向けて過激な対応を加速させる可能性もある。

朝日新聞社

最終更新:9月3日(土)12時53分

朝日新聞デジタル