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2016年09月03日
本日(9月3日)は休刊日ですが、今まで見たこともないほど悪質な現職大臣による捜査介入(捜査妨害)が明らかになっていますので、久々の臨時版です。
本日発売の週刊誌2紙の後追い記事となりますが(本誌は後追い記事は書かない方針ですが)、政界においても金融・証券界においても絶対に「うやむや」にできない重大事件なので(これは事件です)、本誌なりの解説を加えておく必要があると強く感じたための臨時版でもあります。
本年8月3日に発足した第3次安倍内閣・第2次改造内閣で地方創生大臣に任命された山本幸三・衆議院議員(当選7回)が、2012年3月5日の衆議院予算委員会において、捜査中のインサイダー事件の被疑者である知人を大っぴらに擁護し、証券取引等監視委員会の捜査方法に問題があるとあからさまな捜査介入(捜査妨害)を加えていました。
このインサイダー事件とは、2012年6月29日付け「SMBC日興証券・インサイダー事件の読み方」でも取り上げたもので、SMBC日興証券に出向していた三井住友銀行の元幹部(懲戒解雇)が金融業者にインサイダー情報を提供していたものです。
実際にインサイダー取引で利益を得ていた金融業者は有罪が確定していますが、単に情報提供者で自らはインサイダー取引を行っていなかった元幹部も同容疑で逮捕・起訴され、現在は最高裁に上告中です。
山本幸三・地方創生大臣が大っぴらに擁護した知人とは、この三井住友銀行の元幹部のことです。
この元幹部は三井住友銀行時代に、融資審査が通らない問題先に(だいたいが反社会勢力)この金融業者から融資させて謝礼を受け取っていたものの、大半が焦げ付いてしまったため金融業者から弁済を迫られ、SMBC日興証券が取り扱う増資関連のインサイダー情報を金融業者に提供してインサイダー取引で出た利益を「弁済分」としていたもので、全く言い訳ができない悪質な経済犯罪となります。
しかしこの元幹部が自らインサイダー取引を行ったわけではなく、言い訳ができない悪質な経済犯罪であるものの金融商品取引法違反とはならない可能性があったところ、証券取引等監視委員会が「弁済分」もインサイダー取引を行った結果の利益とみなして横浜地検に刑事告発し、元幹部と金融業者を同容疑で逮捕・起訴していました。
当時の本誌記事のポイントは、明らかな金融商品取引法の拡大解釈で、言い訳のできない悪質な経済犯である元幹部を果敢に逮捕・起訴したところは評価できるものの、同じように金融商品取引法を拡大解釈する事例が増えれば、誰でもいつでも逮捕できるようになることも同時に危惧するものでした。
ところでこの元幹部が2010年頃に金融業者に紹介した融資先の1つが、2億円の融資を焦げ付かせたままだったのですが、そこから5000万円が「あるファンド運営会社」に渡っていました。そもそもこの「ファンド運営会社」が何百億円もの資金を集めて2億円を(利息込みで2億5000万円にして)返済するとの約束だったようですが、ほとんど返済されていないままです。
そしてこの融資が実行された時点におけるこの「ファンド運営会社」の代表取締役とは、何と当時も現職衆議院議員だった山本幸三大臣であり、件(くだん)の衆議院予算委員会で元幹部を大っぴらに擁護し証券取引等監視委員会の捜査方法を批判してあからさまな捜査介入(妨害)を行った2012年3月5日時点もその代表取締役の座にありました。
さてその当日の発言内容の一部は「私は、こういう調査しかできない監視委員会とはある意味で本当に必要なのかなとも思っていまして、(中略)、実はテープをとっているんです。だからこれが出れば大問題になります。」などでした。
立派な恫喝ですが当の山本幸三大臣は、あからさまな捜査介入(妨害)にも関わらず、元幹部が同年6月25日に逮捕されたため、慌てて「ファンド運営会社」の代表取締役を辞任しています。
さてこの5000万円が山本幸三大臣個人に渡ったかどうかは不明ですが、自ら代表取締役を務める「ファンド運営会社」への実質的な貸主である金融業者と、それを紹介した知人(元幹部)が容疑者であるインサイダー事件を、衆議院予算委員会という公的な場で大っぴらに恫喝し、あからさまな捜査介入(妨害)を行ったことになります。
山本幸三大臣は元大蔵官僚であり、その重大な犯罪性を十分に理解していなかったはずがなく、よっぽど切羽詰まった事情があったのでしょう。
山本幸三大臣の大臣辞職、議員辞職で済む問題ではなく、安倍内閣発足以来の重大事件となります。また大臣就任に当たり身体検査で見落とした(わざとかもしれませんが)内閣調査室など調査機関の責任も重大となります。
間違いなく大事件になるはずですが、逆に「うやむや」になってしまうなら、もっと問題が大きいことになります。
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