武田薬品工業は2日、ジカ熱ワクチンの開発を2017年から始めると発表した。米国などで臨床試験(治験)を実施する。ジカ熱に有効なワクチンはまだ無い。武田は効能と安全性を確認し販売承認の取得を目指す。
安全性を確認する第1相臨床試験を17年から始める。米国を中心に実施するとみられる。ワクチンは日本の光工場(山口県光市)で製造する。
開発が順調に進めば、最終段階にあたる第3相臨床試験を22年ごろに終えて、日米などで販売承認を得たい考え。米政府は武田に対し、最大3億1200万ドル(約320億円)を助成する。今後、日本政府からも支援を得られる可能性がある。
ジカ熱は、中南米を中心に感染が広がっている。妊婦がジカ熱にかかると、新生児の脳の発育が不十分になる小頭症を発症する危険がある。
世界保健機関(WHO)は今年2月、世界で10以上の研究グループがワクチン開発に取り組んでおり、実用化には2~3年かかるとの見通しを示した。