今職人がいない。人が足りない。そして圧倒的に若い世代の職人がいない。いるのか?いや、いないはずだ。現場で20代の職人を殆ど見ない。
我々の世代での悪い奴ら、所謂ヤンキーと呼ばれていた連中は、筋の方に行くか職人に行くかで大体決まっていた。中学校を出てすぐ、若しくは高校を中退して職人の道を選んでいた。厳しい(ある意味暴力的な)世界なのでそういう根性のある人間がその世界を受け継いでいた。
そしてそのヤンキー達は、学校では全く勉強をしないが、職人の世界で頭角を現す人間が多い、というかそういう人間が殆どである。当たり前だ。出来る職人は頭が良い。有名大学出の現場監督より中卒の職人の方が頭が切れる。若い頃から現場にいるから、経験も武器となっている。
しかし今、若い職人がいない。それは安い日当が原因なのか、はたまたあの厳しい世界に耐えうる若者がいないのか。我々が若い頃に必ずいたヤンキーがいないのか。そんな訳ない。考えられるのは、今のヤンキーは職人とは違う何かをしているはずだ。
何をしてるんだ。どこにいるんだ。職人は普通の子じゃ駄目なんだ。ヤンキーじゃないと。肩パンやケツ蹴られたぐらいで辞める人間じゃ駄目なんだ。君たちの力が必要なんだ。私は、ヤンキーが本当は結構真面目で、照れ屋で、勉強熱心で、ゴールを決めると諦めずに突っ走るのを知っている。そして一人前になった職人は誰よりもカッコイイ事を知っている。
小奇麗なOLやギャルが「この店超可愛いよね♡」なんて言ってる店は全て汚くてカッコイイ職人が作っているんだ。今の職人は高齢化で皆疲れてるんだ。
どこに行ったんだ。何してるんだ。居場所はここにあるからこっちに来てくれ。
肩パンされるけど。