こうした場合、直接的な自国通貨買い介入が有効である。ただし、自国通貨買いをするにしても、外貨準備が大きくないとそれもできなくなってしまう。その意味で、外貨準備が通貨危機の時にはものを言う。
通貨スワップは、緊急時に外貨が手に入ることにより、外貨準備の増額と同じ効果になる。このため、日韓のどちらかといえば、通貨危機に陥る可能性の高い韓国のメリットの方が大きい。
昨年2月の協定打ち切りは、経済危機がなくなったということが表向きの理由だったが、再び問題が生じたから、韓国は過去のメンツを捨てて日本に頼みに来たというわけだ。最近の韓国経済は低迷し、通貨危機に陥っても不思議ではない。
韓国はまた、安全保障や経済面で日本と中国に二股をかけてきたが、米軍の高高度防衛ミサイル(THAAD)配備と中国経済減速で、日本への傾斜を強めざるを得なくなった。韓国の戦略的ミスであるが、韓国は西側諸国の一員であるし、対北朝鮮のことを考えると、日本側についておく必要がある。
日韓の通貨スワップ協定が打ち切られ、また再開というのは、韓国の身勝手な振る舞いが原因ではあるものの、日本としては大した負担でもなく、日本の国益を考えれば、隣国が困ったときには助けてあげるのも外交であろう。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)