2016-09-02

増子の結婚前夜

階段下りる音が聞こえ、すぐそこで止んだ。父の足音だろう。

4人家族、兄はまだ仕事から戻らず、母は目の前で私と一緒にTVぼんやり眺めている。

階段下りればリビングはすぐ目の前なのにリビングの扉は開かない。

「お父さんどうしたのかしら。照れくさくって入ってこないのかしらね

母は小声で言うと、小さく笑った。そう、明日は私の結婚式である。今は所謂結婚前夜」という時間が流れている。

いつまでも静かなので、様子を見に行こうかと思った瞬間、父がリビングに入ってきた。心なしか顔が紅潮し目が潤んでいるように見える。

父は何事も無かったかのように冷蔵庫からビールを取り出し、席に座って無言で飲み始めた。

あの父がまさかね。なんて思っていると、急に目頭が熱くなった。変なの。マンガじゃないんだから

いたたまれず「先にお風呂入るね!」父の方を見ずそう言い残し、私は席を立ちリビングのドアを開けた。

と、そこには!父が!たった今!捻りだしたであろう!巨大な!糞便が!!!

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