9月初めに開かれる多国間外交の中心課題は、THAADと北朝鮮の核になる見込みだ。韓米中日ロいずれも、THAADおよび北朝鮮の核の挑発とからんでいる。韓半島(朝鮮半島)へのTHAAD配備を推進する韓米とこれに反対する中ロの首脳は、立て続けに会談を行って立場を調整し、6カ国協議当事国の韓米中日ロは、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)発射で深刻化した北朝鮮の核・ミサイルの脅威について話し合う必要がある。
最大の関心事は、杭州で開かれる韓中首脳会談だ。
THAADをめぐって形成された「韓米対中ロ」という寒冷前線を、すぐにほぐすのは容易ではない。外交消息筋は「韓中いずれも、THAADをめぐる対立を戦略的に管理する必要がある。朴大統領と習主席は、それぞれ立場を堅持しつつも、妥協できる部分を模索するものとみられる」と語った。最高指導者のメンツを重視する中国の特性から、習主席が朴大統領の面前で再び「THAAD反対」に言及した場合、韓中関係の冷え込みが相当長引くことは避け難いと分析されている。しかし、今回のG20主催国たる中国が「客」の韓国を窮地に追いやることはないだろう、という見方もある。亜州大学中国政策研究所のキム・ホンギュ所長は「今回の首脳会談は危機管理という観点から見るべき」と語った。韓国外交当局からすると、9月の連鎖首脳会談の現実的な目標は「北朝鮮をめぐる国際社会の協調をTHAADが妨害しないように管理すること」だとみられる。今月2日で採択から6カ月になる国連安全保障理事会の北朝鮮制裁決議の履行から、中国が離脱しないようにすることが重要だという分析だ。金聖翰(キム・ソンハン)元外交部(省に相当)次官は「北朝鮮の核問題において決定的な突破口が開かれるならTHAADを配備する理由はない、という論理を中ロに粘り強く伝える必要がある」と語った。