蹴球探訪
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【首都スポ】大学サッカー 東京国際大1部復帰のキーマン 町田ブライト&楠本卓海2016年9月2日 紙面から
前半戦を終えて中断していた第90回関東大学サッカーリーグ(東京中日スポーツ後援)が10日に再開する。後半戦では1部の激闘もさることながら、2部における1部昇格争いからも要注目となる。1部に上がれるのは2チーム。2年ぶりの1部復帰を目指す現在2位の東京国際大は、昨季2部10位に甘んじた屈辱を晴らしたい。鍵を握るのは得点王レースでトップを走るFW町田ブライト(2年・成立学園)。20歳の主将DF楠本卓海(3年・大成)のけん引ぶりも注目される。 (関孝伸) 2部リーグ得点王争いの先頭を行く。FW町田は前半戦の11試合で9ゴールをマークし、2位に2点差をつけている。 「(9得点は)悪くない数字です。得点王を狙うという目標を今年の最初から立てていました」 その誓いに近づく活躍を見せた前半戦だった。 父親がナイジェリア人で、フィジカルの強さは誰もが認める。8月28日に行われた天皇杯のJ2水戸戦でもその部分は十分に通用し、自信をさらに深めた。現在は日々の居残り練習などでシュート力に磨きをかけている最中だ。 「その成果は出ていると思います」 ゴールを奪うために常にシュートを狙っているというが、実はそこに最大の課題が潜む。リーグ前半戦の11試合で放ったシュートはトータルで15本。決定率60%となかなかの数字を誇るのだが、上位につけるチームのFWとしては、シュートの本数そのものが少ない。 「小学生のときにずっと右サイドバックをやっていた関係で、プレーの選択肢として、本能的にまずはパスを考えてしまうんです」 周りからは「シュートをもっと打て」とずっと言われてきた。だから、常にシュートを狙っていると言葉にして口に出すのは、シュートを放っていく意識がより高まるように、自らに言い聞かせるためでもあるのだ。 「でも、(シュートではなく)パスに逃げてしまう癖は今もなかなか抜けません(苦笑)」 弱点を克服する策のひとつとして、フィジカル面をさらに強くしようと努める。 「そうすることで局面をひとりでもっと打開できるようになれば、シュートを打つチャンスも増えると思うんです。この夏の間に体幹を鍛えました」 決定力はあるだけに、シュートの数が多くなれば、それに比例して得点数も増すだろう。 「マークが厳しくなるとは思いますけど、後半戦では前半戦よりもゴールを取って、全部で20点にはいきたいです」 ブライト(輝かしい)という名前は母親がそうなるようにと願ってつけた。ピッチで一層光り輝くために、町田はゴールを量産し続ける。 センターバックの楠本は3年生にして主将を任された。トップチームに在籍する4年生選手がほとんどいないのがその理由のひとつだが、楠本のリーダーシップなら3年生でもチームを束ねることができるとの判断がなされ、前田秀樹監督から指名を受けるに至った。 そんな若き主将が今季のチーム目標として掲げるのはただひとつ、2シーズンぶりとなる1部返り咲きだ。現在の3年生は1年のときからスタッフの大きな期待を担ってきた学年。その自分たちが最上級生になる来季は絶対に1部でプレーしたいとの強い思いがある。 「去年は1部復帰を目指していたのに、まさかの2部残留争いを経験することになってしまいました。だから、今年こそは1部に返り咲かなければなりません。そういう状況で、3年なのにキャプテンをやるプレッシャーはありますけど、今年はとにかく結果を出さなければいけないんです」 本来の順番であれば、主将を務めるのは来季のはずだったが、1年前倒しになった。 「なかなかない貴重ないい経験をさせてもらっています。この経験を生かして来年1部で成長するためにも、昇格できるように頑張ります」 昨季のチームに比べ、攻守ともにレベルアップし、手応えを得た前半戦だったと振り返る。 「ただ、これからは相手に研究されて苦しい戦いが増えると思います。そうなったらなったで、僕たち後ろ(守備陣)は我慢して守っていくだけです」 後半戦では耐えて毎試合無失点を目指すという楠本が納得のディフェンスを実践できたとき、歓喜する1部復帰の瞬間が訪れる。 ◇ 首都圏のアスリートを全力で応援する「首都スポ」。トーチュウ紙面で連日展開中。 PR情報
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