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【首都スポ】

大学野球 秋季シーズン開幕 神奈川大がサヨナラ発進

2016年9月1日 紙面から

タイブレークを含む10イニングを1失点完投の神奈川大・浜口=横浜で(小原栄二撮影)

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◇神奈川大学野球リーグ 神奈川大2−1桐蔭横浜大

 首都圏の大学野球は31日、秋のシーズンが始まった。横浜スタジアムでは神奈川大学野球リーグが開幕、神奈川大が延長10回、タイブレークで、連覇がかかる桐蔭横浜大にサヨナラ勝ち。エース浜口遥大投手(4年・三養基)が10イニングを1失点で斎藤友貴哉投手(4年・山形中央)とのドラフト候補対決も制した。横浜商大は、3季ぶりに1部に復帰した鶴見大を振り切って先勝した。

◆気持ちで勝った

 それまでのポーカーフェースが崩れた。延長10回1死満塁のタイブレークを気合で無失点。内角の直球で、左打者の鈴木聖を狙い通りに二ゴロで併殺に仕留めた浜口は雄たけびを上げてベンチに戻った。その裏、押し出し四球でサヨナラ勝ち。エースは、もう一度、喜びを爆発させた。

 「気持ちで負けないようにした。桐蔭のピッチャーはいいので、1点もやらないつもりでした」。今春の桐蔭横浜大戦もタイブレークだったが、犠飛で決勝点を奪われて0−1で負けた。そのリベンジもできた。

 2年春に最速150キロをマークし、大学選手権で準優勝、大学日本代表入りも果たしたが、その後は、制球難にも苦しんだ。今春は先発に、救援にフル回転したが結果を出せず、チームは勝ち点1で5位。この夏は、かつての映像も見直した。「力みすぎていた。気持ちが行こうとしすぎて、下が早く動いていた。しっかり軸に乗せて、ためた力も逃がさないようにした」。ワインドアップからセットに変えたのも、フォームの安定につながった。

 投げ合った桐蔭横浜大の右腕・斎藤は最速149キロだったが、暴投で同点に追いつかれ、押し出し四球で負けた。ドラフト候補対決を制した浜口は「タイムリーも出ていないし、正直、勝った感じはしていません」と言ったが、球速は145キロ前後ながら、大事なところでの安定感は上回り、中日、ソフトバンク、巨人などのスカウト陣にも成長を見せた。

 今夏の大学日本代表では、トップレベルの選手にあらためて刺激を受けた。これまで以上に気をつかうようになったのは食生活。「柳(明大)なんか(食事に関して)すごくて、自分もあれぐらいしないといけないと思った。自分も勉強はしていましたが、いままでは好きなものを好きなだけ食べていました」。試合の前は好物の唐揚げをやめて、消化しやすいものに変え体調もいい。

 開幕戦をエースの踏ん張りで勝った古川祐一監督(47)は「初戦を取れたのは大きい。浜口が調子があまり良くないなりにゲームメークをしてくれた」と喜んだ。今春は横浜国大戦を除く4カードで初戦を落として、浜口をフル回転せざるを得なくなって苦しくなったが、3季ぶり優勝を狙う、この秋は成長したエースが初戦にいる。 (小原栄二)

    ◇

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