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【大相撲】

白鵬、負傷の左膝悪化で休場も 稀勢の里は初V&綱とりチャンス

2016年9月2日 紙面から

申し合いは小休止となった高安(左)と稀勢の里(右奥)=東京都江戸川区の田子ノ浦部屋で(志村拓撮影)

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 史上3人目の通算1000勝まで3勝と迫っている横綱白鵬(31)=宮城野=が、大相撲秋場所を休場する可能性が出てきた。巡業中に左膝を痛め、1日は前日に続いて東京都墨田区の所属部屋での稽古を休んだ。2日連続で稽古を休むのは異例で、師匠の宮城野親方(元幕内竹葉山)は「(秋場所出場は)ちょっと分からないです。十分休んだ方がいいと思う」と話した。一方、綱とりの大関稀勢の里(30)=田子ノ浦=は東京都江戸川区の部屋で軽めの調整で終えたが、順調ぶりをうかがわせた。

 横綱としての責任感が左膝を悪化させた。白鵬は名古屋場所9日目の勢戦で右足親指を骨折。その後の夏巡業に参加したが無理がたたった。

 宮城野親方は「(途中で)帰って来いと言ったが、最後まで出るという感じだった。ぶつかり稽古をやって(右足親指を)かばっていた。かばっていると膝に負担がかかる」と説明した。

 先月30日に白鵬と会ったときは「階段を昇るのも大変。それくらい痛んだと。腰を曲げて歩いてましたから。先場所は親指がつけなかったのに痛いと言わなかった。よほど痛いということでしょう」という。通算1000勝と38回目の優勝がかかる秋場所は「ちょっと分からない。十分休んだ方がいいと思う。治すなら完全に治す。悪化して次の場所もだめになるのが一番ねぇ…。1000勝が目の前にあっても体のことが一番だから」と休場の可能性を示唆した。2日の横綱審議委員会による稽古総見も休むとみられる。

 ちょうど1年前の昨年秋場所中に、白鵬は左大腿(だいたい)四頭筋腱炎(けんえん)で途中休場した。今年夏場所前にも痛みを感じるなど、左膝は完治していない。1日の朝稽古も当初は来る予定だったが、朝起きたとき膝に痛みがあり、急きょ回避した。家で冷やすなど療養しているという。6日から出稽古に行くと話していたが、それも微妙な状態。「出稽古に行かないということは、(場所を)やらないということ」と師匠は話す。遅くても8日までには休場するかどうか結論が出るとみられる。 (岸本隆)

    ◇

 稀勢の里は番付発表後の2日間で計38番に及んだ新関脇高安との猛稽古は小休止。それでも「いつでも俺はやる準備をしている。力は有り余ってるから」と順調な仕上がりをアピールした。

 土俵に上がらず、四股やすり足を入念に繰り返した。前日まで熱を帯びた稽古が続いただけに、終了後には報道陣から、夏巡業前半の休場の原因となった右かかと痛の状態を問われたが「大丈夫っすよ」と笑顔で一蹴した。

 本人によると、痛みはなく、冷やすなどの処置もなし。「休みはいらないけどねぇ。高安が良くないから」と、自身の当たりを真っ向から受け続けた弟弟子の体調を気遣う余裕も見せた。

 2日の横綱審議委員の稽古総見に始まり、二所ノ関一門の連合稽古と続く4日間。先場所の連合稽古では、一門外ながら参加した横綱日馬富士の胸を借りた。「まぁ、しっかりやるだけ」と狙いは明かさなかったが「抜く日はないよ」ときっぱり。悲願の初優勝へ、心技体の充実を見せつける。 (志村拓)

 

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