満員電車で体勢崩し頭でガラス大破　田園都市線、男子高校生ケガ

ドアのガラスが割れた東急田園都市線の電車内＝２日午前（提供写真） Photo By 共同

　東京都世田谷区の東急田園都市線二子玉川―用賀間を走行中の準急電車内で２日、高校３年の男子生徒（１７）が体勢を崩し、頭をぶつけてドアのガラスを突き破った。男子生徒は割れたガラスで顔を切って出血したが、軽傷だった。

　騒ぎがあったのは午前７時４５分ごろ。警視庁玉川署などによると、車内は通勤ラッシュで大混雑しており、生徒は１０両編成の前から５両目のドア付近に立っていた。電車の揺れが原因で、多くの乗客がバランスを崩し、生徒がドアに押しつけられたとみられている。

　同じ車両に乗っていた会社員の男性（４７）は「突然走行中にドーンという音がして、見るとガラスが割れて顔に血を流している人がいて驚いた」と話した。別の乗客は「男性の頭は窓ガラスを突き破って、車両の外に出ていた」と話した。頭部を車内に引き戻す際、割れ残ったガラスで額や鼻の横を切ったとみられる。

　電車は数分後に用賀駅に到着。駅員らが割れたガラスを段ボールと防護用の布で補修し、約１０分後に渋谷方面へ出発した。田園都市線は最大で２５分の遅れが出た。

　東急電鉄広報によると、窓ガラスは鉄道車両用安全ガラスで厚さ３ミリ、強度は通常の３〜４倍。「それでも飛び石などで割れることはある」という。

　田園都市線の混雑ぶりは、都内の鉄道でトップクラス。国土交通省の昨年度の調べでは、池尻大橋―渋谷間（午前７時５０分〜同８時５０分）の混雑率は１８４％。東急電鉄広報によると「用賀付近もそれに近い混雑率」という。事故があった区間は線路が地上から地下に入り、カーブもある。「電車が揺れた際、バランスを崩さないように手すりなどにおつかまりください」と注意を促している。