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米ジョージタウン大、過去の人身売買を反省し奴隷の子孫入学を優遇へ
米首都ワシントンのジョージタウン大は1日、運営母体のカトリック教会のイエズス会が、19世紀に黒人奴隷を売って多額の利益を得たことなどを反省し、当時の奴隷の子孫に当たる学生に対して、入学しやすくする優遇措置を取ると発表した。
同大は国際関係などの分野で米有数の名門私大。奴隷制が合法だった時代に奴隷を働かせていたことなどを認めた米大学はほかにもあるが、米メディアによると、当時の罪を償うためとして子孫への優遇措置まで踏み込んだのは例がない。
同大は昨年、過去にどこまで奴隷制に関与したかを調査する委員会を設置。イエズス会のメリーランド州の農園で奴隷を働かせて農産物を得ていたほか、1838年に財政難から女性や子どもを含む272人の奴隷を売り払ったことが確認された。値段は現在の価値で約330万ドル(約3億4千万円)だった。(共同)