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徐慶培氏、基礎科学に約280億円拠出…「ノーベル賞を期待」=韓国(1)
2016年09月02日08時26分[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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1日ソウル中区(チュング)の韓国プレスセンター国際会議場で開かれた「徐慶培(ソ・キョンベ)科学財団」設立の記者懇談会で徐慶培アモーレパシフィックグループ会長が記者たちの質問に答えている。徐会長はこの財団の理事長をつとめる。 |
1日、ソウル中区(チュング)世宗大路(セジョンデロ)の韓国プレスセンター20階で開かれた財団スタート記者懇談会に徐会長は財団理事長として参加した。徐会長は「(私が経営を引き受けた後)約20年間で株価が大きく上昇したが、多くの方の関心と助け、愛情なしには不可能だった」としながら「韓国社会に必ず大きなお返しをしなければならないと決心した。財団設立は私が感謝の気持ちを返す方法」と話した。また「成功は自分が努力する部分もあるが、多くの人の助けなしには難しい」とした。
徐慶培科学財団は毎年国内外の新進の韓国人科学者3~5人を選抜して最大25億ウォン(5年基準)の研究費を支援する。基礎科学、特に脳科学や誘電体など生命科学分野で画期的かつ創意的なテーマで最低5年以上の長期研究を支援する。アモーレパシフィックグループは学術・教育・文化・福祉分野で3つの公益財団を運営しているが、徐会長が私財を拠出したのも、自身の名前がつい財団を作ったのも初めてだ。出資金は保有株式で用意する予定だ。徐会長は「スタートが3000億ウォンで、さらに一生懸命に仕事をして1兆ウォンにする」と何度も話した。
--なぜ今なのか。
「いつからか分からないほど長年抱いていた夢だ。昨年会社が70周年を迎え、私も50歳を超えた。基礎科学分野で成果をみるには10年、20年でも足りないので足ながおじいさんになる前に始めようと思い妻も同意した。常に『今が最も完ぺきな出発点』と考えている」
--なぜ科学なのか。
「幼い頃、鉄腕アトムの漫画を見て育った(笑)。故・徐成煥(ソ・ソンファン)先代会長が科学と技術で優位を確保してこそ世界トップ企業として飛躍できると常に強調していた。91年ゼネストで会社がほとんど倒産しかけた時も翌年に中央研究所を作った。お金を借りるのも荷が重すぎて、物があまりにも売れずに取引先で叱責されるのにもうんざりしていた時だ。もともと薬として使っていたビタミン誘導体を化粧品に適用するために数百回実験した。そのようにして97年に出したアイオペ ・レチノール製品が成功した。山積みになっていた問題が解決された。ああ、これが科学技術の力というものなのだと思った」
徐慶培氏、基礎科学に約280億円拠出…「ノーベル賞を期待」(2)