片づけに追われる住民「人手がほしい」 岩手 岩泉町

片づけに追われる住民「人手がほしい」 岩手 岩泉町
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台風10号の大雨であふれた川の濁流が押し寄せるなどして、広い範囲で住宅が壊れる被害が出ている岩手県岩泉町では、住民たちが住宅の片づけに追われながらの避難生活を余儀なくされています。
このうち、およそ80世帯が暮らす向町地区では、すぐそばを流れる小本川が台風による記録的な大雨であふれ、濁流となって住宅に押し寄せました。

この地区に住む遠藤忠裕さん(59)は、雨が強まってきた先月30日の夕方、一緒に暮らしている姉とおばと避難所に移りました。
台風が過ぎ去った翌日、2階建ての自宅に戻ると、家財がめちゃめちゃになっていて、水が1階部分の天井近くまで達していたことがわかったということです。遠藤さんは玄関先にたまった泥をかき出したり、壊れたテーブルなどを外に出したりしていますが、台風の通過から3日たっても玄関しか片づいていません。
遠藤さんは「自分たちだけだと、片づけも進まないので人手がほしいです」と話していました。
遠藤さんたちは夜は、近くの避難所に移って食事の提供を受けたあと、睡眠をとっていますが、あまり眠れないということです。

一方、遠藤さんと同じ地区に暮らす工藤淳子さん(58)は、去年リフォームしたばかりの3階建ての自宅の1階部分が浸水しました。
大雨が降っていた当時、82歳の母と2人で自宅にいましたが、30日の午後7時すぎ、水が一気に自宅の中に入ってきたといいます。
工藤さんはいま、高齢の母の介護があるため、避難所にはいかず、浸水を逃れた2階で生活をしていますが、先の見えない「2階への避難生活」に不安を募らせています。
工藤さんは「断水した状況も続いていますし、いつまでこの生活が続くかわからないのが不安です」と話していました。