使えない部下のダメな言い訳5つとその対策方法について
2016/08/14
部下のなかには、責任を他人のせいにしたり、失敗を認めずにごまかそうとしたりと、上司を困らせる使えない部下が存在するものです。
そんな上司の手をやかせる、使えない部下のダメな言い訳5つとその対策方法についてご紹介します。
目 次
1.ケアレスミスのせいにする部下 |
1.ケアレスミスのせいにする部下
1-1.部下の言い訳
ちょっとしたケアレスミスのせいで失敗したのだ、と強調する部下がいます。
「大事な書類に、ついコーヒーをこぼした」「企画書を書いたのに、誤っていらなくなった書類と一緒に捨ててしまった」「ほかのことに気をとられていて、うっかり連絡をとるのを忘れた」などと言ったりします。
きっと、そのような言い方をすることで、自分の失敗は能力の欠如のせいではない、ケアレスミスのせいだ、とアピールしたいのでしょう。
だが、そうした細かいところにこそ、その人の実力が表れるのです。
実力のある人が、大事な書類を別の書類の中に紛らわせたりするはずがありません。大切な連絡を忘れたりするわけがありません。そのようなミスをするということは、心構えに問題があり、能力が根本的に欠けているということです。
本来であれば、「私はケアレスミスをするほど実力がない」と考えて恥じるべきなのですが、このタイプの部下はそのようには考えません。
1-2.上司としての対策
このタイプが「うっかりミスをしただけ」と言い出したら、軽蔑をあらわにすることです。
そして、「そんなうっかりミスをする人に、仕事を任せるわけにはいかない」とはっきり言いましょう。そして、態度を改めない限りは責任ある仕事をまわすべきではありません。
2.他人のせいにする部下
2-1.部下の言い訳
このタイプの部下が数人で仕事をすると、自分の責任を棚に上げて、必ず他人のせいにします。
組織で仕事をするからには、自分の行動は自分で責任を持ち、他人に甘えるべきではありません。誰か1人が寄りかかれば、ほかの多くの人にそのしわ寄せがきて、迷惑する人間が数多く出ます。それがチームを組んでの仕事であれば、なおさらです。
何かミスが生じれば、当然、周りにも影響します。
ところが、このタイプの人はそれが理解できません。誰かに自分の失敗を指摘されたりすると、「そうなったのは、あいつのせいだ」「あのとき、お前が感心したように言い出すから、おれもつられて賛成したんじゃないか」などと言い出すのです。
単独の仕事に失敗しても、人のせいにすることがあります。「あのとき、お前がおれのやり方に不満そうな顔をしたんだよ。だからおれは迷ってしまい、間違った選択をしてしまったんだ」などと、八つ当たりとしか思えない言い訳をしたりします。
自分のプレゼンの評判が悪かったとしても、「おまえがうるさくするから、準備ができなかった」「おまえが誘うから、準備ができなかった」などと言い出します。
2-2.上司としての対策
他人のせいにする部下に対しては、はっきりと「きみは一体、いつまで甘えているんだ。もっと自分の行動に責任を持ちなさい」と教えるのが最もよいでしょう。
しかし、このタイプの部下にそのことを理解させるのは難しいものです。いつまでたっても他人のせいにして、自分は関係がないという態度をとるものです。
そんな場合、もし余裕があったら、失敗しても実害の少ない仕事を1人でやらせてみましょう。そこで失敗したとき、自分の責任を自覚させるしかありません。
3.何とかごまかそうとする部下
3-1.部下の言い訳
失敗を認めずに、何とかごまかそうとする部下がいます。
例えば、赤字額が増えているにもかかわらず、「それは失敗ではない。成果は上がっている。その証拠に、私が担当する以前に比べて、売上高は増えている」といった言い訳をします。
明らかな失敗であっても、「まだ効果が表れていないだけで、もう少し辛抱すれば必ずよくなる」「今はたまたま別の要因でマイナスになっているが、この特殊な状況が変化すれば、プラスになる」などと言い出します。
ときには、データの都合のよいところだけを取り出して説明したりします。
ほかに裏付けがないときには、「満足している人がいる」「私のやり方に賛成している人が多い」などと、数少ない証言をその裏付けにしようとします。そうすることによって、何とか自分を正当化しようとします。
つい失言してしまったときにも、このタイプの部下は「いや、私が言いたかったのは、そんなことではない。それは誤解だ」と、話をごまかします。何とか言いつくろおうとして、「そのように聞こえたのだとすると、私の説明の仕方が悪かったのかもしれないが、そんなつもりではなかった」などと言い逃れをします。
このタイプの部下が問題であることには、2つの理由があります。
1つは、自分は知的だと信じており、何とかごまかし通せると思っていることです。しかし、ごまかそうとして自己正当化すればするほど、周囲の信頼を失っていくのですが、このタイプの部下はそのことに気づきません。
自分の方が相手よりも頭がよいので、だまし通せると思っているわけです。
もう1つの理由は、ウソを重ねると、ますます苦しくなっていくことです。早く自分の非を認めて、改めてやり直すほうがずっと楽なことが多いのに、このタイプの部下は、ウソで自分を正当化しようとします。
そのため、よけいな労力を使うことになってしまうことになるのです。
3-2.上司としての対策
このタイプの部下がいろいろと弁解がましいことを言った場合、2つの方法があります。
第1の方法は、相手の言い分をまずは真に受けたふりをする方法です。このタイプの部下が、「今のところは効果が表れていないが、これからよくなる」と言った場合、いつまでに効果が表れるかの期限をもうけ、約束させることです。同時に、責任のとり方も約束をさせます。
そうすれば、次回からは気をつけるようになるはずです。
もう1つの方法は、このタイプの部下が言い訳を始めると、聞く耳を持たないという態度をとることです。いっさい言い訳を受け付けず、「以前と言っていたことと話が違う」という態度をとることです。
こうすることで、言い訳ができなくなり、反省を迫られることになります。
4.すぐ体調のせいにする部下
4-1.部下の言い訳
自分の失敗を、何か外的な理由にする部下がいます。このタイプで多いのが、思いもよらぬことが起こってしまったという言い訳です。
最も多く口実に使われるのは体調を崩したという理由ですが、前に「風邪をひいた」と言ったとすると、今度は「腹痛を起こした」、しばらくすると「腰痛で動けない」、そして、「歯痛がひどかった」「鼻血が止まらない」「目が炎症をおこした」などと、あれこれバリエーションを変えてきます。
中には自分の体調ではなく、家族の体調や事情を言い訳にする人もいます。とりわけ子供のいる人、高齢者と同居している人は、口実に事欠かないものです。
「子供が風邪をひいたので、病院に連れて行った」「うちのおじいちゃんが昨日、のどをつまらせたので、救急車で運ばれて大変だった」などなど、さまざまな言い訳があります。
もちろん、家族がいると大変です。しかし、仕事をしているからには、それをいつも口実にするわけにはいきません。家庭の事情で仕事ができないのであれば、負担の軽い部署に替えてもらうことも考えられます。
体調のこと以外に多い言い訳は、交通機関の遅れです。「いつもの電車が遅れたために、約束に間に合わなかった」「はじめての路線だったので、間違えて急行に乗ってしまった」「雨でタクシーが渋滞して、打ち合わせの時間に遅れた」などの言い訳が多いものです。
けど、よほどのことがない限り、そのような言い訳には説得力がありません。大事故があったのならともかく、少し早めに電車に乗れば、遅れることはありません。交通渋滞にしても、車を使うからには、それを見越して早めに出るのが、当然のマナーです。
4-2.上司としての対策
いつも体調を言い訳にする人には、本当に心配しているところを見せ、病院で検査を受けることを進めるのが、うまい方法です。もしかしたら、本当に身体がよくないのかもしれません。
ですから、最初から仮病と決めつけるべきではありませ。外からはまったくわからなくても、本当に具合が悪くて、本人は深刻に悩んでいる場合も多いのです。
この方法を用いれば、もし当人がウソをついているときには、プレッシャーを感じるはずです。そして、だんだんとそのような言い訳を使わなくなります。
5.わかっていたようなことを言う部下
5-1.部下の言い訳
「うまくいかないことくらい、はじめからわかっていた」「あの係長に任せること自体、無理だと思っていた」など、はじめから失敗がわかっていたような口ぶりで言い出す部下がいます。
「まさかこんなことになるとはねえ」「困ったものですねえ」などと他人事のように口にします。ときには、「こんなことだから、うちの会社はあまり信用してもらえないんだよ」などと言い出します。
このタイプの部下は、自分、あるいは自分の所属するグループの失敗なのに、それを自分のことと感じていないようなそぶりをみせます。また、失敗の原因をつくったのが自分であっても、そのような言い方をします。そして、責任を感じている様子をまったく見せません。
このタイプの言い訳には2種類あります。
第1は、本当は自分の責任に気づいているのですが、当事者でないことをアピールしようとする場合です。その場合は、かなり意識的に、自分が部外者であることを強調します。
ときに、失敗したグループのリーダーをこき下ろしたりします。そうすることで、グループ内の反対勢力であった自分をアピールし、自分のほうが正しかったことを認めさせようとします。
もう1つのタイプは、実際にまったく責任を感じていなく、自分は部外者だと思っている場合です。そのため、客観的に事態を眺めても平気でいます。
このような態度をとる部下に対して、多くの人が、「無責任な・・・」とあきれているのですが、本人はそれに気づいていません。そして、自分の失敗の原因の分析が正しいことに自信を持って得意になり、あちこちで吹聴したりします。
5-2.上司としての対策
上司としては、「そのときに気づいていたなら、すぐに言ってほしかったねぇ。そうしていれば、きみのおかげで失敗を食い止められたかもしれないんだから」「それとも、きみは気づいていながら黙っていたのか? それは問題だね」などと言えばよいでしょう。
あるいは、もう少し明確に「これは、きみにも責任があることだ」と知らせる必要があります。そのためには、「おや、きみもそのグループの一員だったんじゃないの?」とたずねてみることです。
それでもまだ、自分に責任がないようなそぶりを見せる場合には、「失敗しそうだとわかっていたのなら、それを言わないというのは、職務怠慢だ」と少し強く出たほうがいいでしょう。
以上である。
どうだろうか。
使えない部下にも、いろいろなタイプが存在するものです。その部下のタイプ別に応じてしっかり指導し、部下を成長させることも上司の仕事だと言えるでしょう。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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まとめ
1.ケアレスミスのせいにする部下の言い訳には、上司として「そんなうっかりミスをする人に、仕事をまかせるわけにはいかない」と言うこと。
2.他人のせいにする部下の言い訳には、上司として「いつまで甘えているんだ。もっと自分の行動に責任を持ちなさい」と言うこと。
3.何とかごまかそうとする部下の言い訳には、上司として言い訳を受け付けず、「以前と言ったことと話が違う」という態度をとること。
4.すぐ体調のせいにする部下の言い訳には、上司として本当に心配しているところを見せ、病院で検査を受けることを進める。
5.わかったようなことを言う部下の言い訳には、上司として「きみにも責任があることだ」と言うこと。