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【石平のChina Watch】
周辺国は「教化されてない蒙童」…蘇った中華思想の亡霊 「覇主国家意識」が本音だ
中国語の世界では、「お尻をたたくぞ」というのはたいてい、親や学校の先生がいたずらの悪童に対してよく使う言葉だ。韓国や周辺国などの主権国家に対し、このような言葉が自然に口から出てきたことは驚くべきである。
往時の華夷(かい)秩序において、中華帝国は自らのことを「親」としての「宗主国」を自任し、周辺国や民族を単なる「教化されてない蒙童(もうどう)」として取り扱っていたが、こうした覇道主義的中華思想の亡霊が目の前に蘇(よみがえ)ってきているのである。
それは中国の一軍人の妄言として片付けられるようなものではない。楊教授の発言はまさに公の発言として堂々と発表され、中国全国のネットで広く流布されている。「お尻をたたく」という言葉は多くの新聞紙やネットニュースのタイトルにもなっている。それに対する異論や批判は国内では一切ない。国際社会では信じられないほどゆがんだこの発言は、中国ではむしろごく自然に当然な言葉として受け止められている。
これを見てわれわれは一つ、大事なことを銘記しておかなければならない。昔の中華帝国のように力ずくで周辺国をねじ伏せ、中国の一方的なルールに従わせて自らが覇主となるというこの恐ろしい意識こそ、今の中国政府と多くの中国人エリートの本音と野望なのである。