RSS速報
どうして戦争はなくならないの?その問いに答えるのは至難の業だ。人類の歴史は戦争と共にあるといっても過言ではない。文明がいかに進もうと、科学技術がいかに変化しようと、人類同士の戦いがなくなることはないのかもしれない。問題となるのはそれがいつ起きるかだけである。
アメリカ系海外サイトにて、今後数年内に起こりうる可能性のある10の戦争がまとめられていた。それは地域的紛争や世界的なもの、大規模なものから小規模なものまで様々だ。共通点はそれが確実に私たちを戦慄の恐怖に陥れるということだ。
スポンサードリンク
10. 中露シベリア戦争
現在、中国とロシアはウラル山脈の東でにらみ合いを続けている。両国ともに巨大な軍事力と核兵器を有し、両国ともに拡張政策を採っている。そして、両国ともにシベリアの領有権を主張している。
人口は少ないが資源が豊富なシベリアは、かねてから中国が狙っていた土地だ。最近、中国はシベリアを買い占めようと画策したことで、ロシアの不興を買った。北京の見解によると、シベリアの少なくとも東部については歴史的な領有権を有しており、大勢の中国系民族がロシアの国境を越えて移住しているという。当然、クレムリンがこれを認めるわけがない。
シベリアの領有を賭けた中露戦争には2つの帰結があるだろう。中国軍がロシアを蹴散らすか、ロシア軍が核戦争を勃発させるかだ。いずれにせよ、悲惨なまでの死者がでることはまちがいない。
9. バルト地域戦争
プーチン大統領がクリミア半島を編入したことで、ヨーロッパとロシアとの間には戦争の可能性が芽生えた。元NATO副司令官アレクサンダー・リチャード・シレフによれば、それはほぼ必然なのだという。
同地域にある緊張の火種として、ロシアがNATO包囲に対して懸念していることをシレフは指摘する。早ければ2017年5月にも、モスクワはクリミアからロシアへ続く回廊地帯であるウクライナに進軍するだろう。その後はバルト諸国だ。エストニア、ラトビア、リトアニアはいずれもNATO加盟国であり、そうなればロシアと西側諸国との戦争に突入するかもしれない。
なお、シレフによれば、NATO介入に対する牽制としてロシアが核の使用をチラつかせることもあるということだ。
8. 北朝鮮の春
今年夏、ロンドンに駐在していた北朝鮮高官が韓国に亡命した。これは金正恩体制のきしみを示唆する最新の事例でしかない。
金正恩は中国をはじめとする最も強力な同盟国を遠ざけている。エリート層に贅沢な生活を約束することもできない。安価になったスマートフォンによって国民が外国の生活を目にする機会もできた。また一方で、同国は1994年の飢饉が可愛く見えてしまうような食糧不足にも備えなければならない。
その結果、北朝鮮史上かつてなかったような革命が起きる可能性がある。国民が通りを占拠し、軍は派閥に分裂。そして地獄の蓋が開く。共産党による独裁政治が暴力的に崩壊したもっとも最近の事例はルーマニアである。そこでは、10日足らずで1,100人以上が殺された。金正恩はそれ以上の血を目にするだろうか。
7. ヨーロッパ対イスラム国の市街地ゲリラ戦
空襲、経済的な混乱、軍の進軍。イスラム国は崩壊の瀬戸際にある。だが、彼らがこのままおとなしく消えるとは思えない。追い詰められたイスラムの聖戦士たちがヨーロッパへの直接攻撃を仕掛ける可能性もある。
規模は小さくとも、市街地でのゲリラ戦はヨーロッパ大陸を荒廃させることだろう。ヨーロッパの各主要都市が墓場と化す。一般市民を標的とした銃撃や爆撃がひっきりなしに続き、そこかしこの通りで警察とイスラム兵が戦闘を行う。
彼らの主要な標的はフランスとベルギー、次いでドイツとイギリスだろう。安全な都市などなく、政治家も役には立たない。この混乱はイスラム国最後の兵士がいなくなるまで続く可能性は高い。
6. ベネズエラ内乱
カラカスの街中は無法地帯だ。生活必需品を買うことは不可能。インフレ率は500パーセントを超え、1,600パーセントも荒唐無稽な話ではなくなってきた。抗議や暴動が多発し、これに対応すべき警察や政治家の汚職などが蔓延している。
この無政府状態の帰結は内乱だ。
マドゥロ政権は辞職を拒んでいるが、満足に物も食べられない怒り心頭のベネズエラ国民が武装蜂起する可能性は高い。警察や軍の大量亡命もあり得る。コロンビア民族解放軍のような隣国の左派組織が介入してくる恐れもある。
全面戦争に突入するかもしれないとは言え、クーデターはベネズエラにとってもっともありそうなシナリオかもしれない。ラテンアメリカの歴史が何らかの参考になるのだとしたら、そうした流れは大規模な抑圧と流血につながる前触れであると言えよう。
5. 第二次中国文化大革命
毛沢東による文化大革命ではおよそ150万人が犠牲となっている。汚職の蔓延、人々の不満、裏切られたという思いが沸騰して大量虐殺の引き金を引いたのだ。2016年現在、こうした状況に再び陥りつつあるようだ。
中国は農民による謀反の歴史で彩られている。毛沢東自身が800万人を処分して権力の座についた。その数十年ほど前には、義和団の乱で10万人以上が犠牲となった。さらにその数十年前は、太平天国の乱で推定2,000万〜3,000万人(7,000万人という説もある)が処分された。
歴史的な文脈で言えば、新たなる文化大革命が絶対に起きないとは言い切れない。現在ですら中国は毎日500人の抗議者を粛清している。年あたりでは10万もの暴動が起きている。指導部には汚職がはびこり、若者は反乱を口にする。今後、大規模な金融危機が起こり、生活を直撃するようなことがあれば、次の流血の口火となるだろう。
4. 第二次ボスニア紛争
1990年代、世界はボスニアの悲劇を目撃した。10万人の市民が民族浄化の名目で命を奪われた。1995年のデイトン合意によって紛争に終止符が打たれ、1国に2つの国が誕生。ボスニャク人とクロアチア人のためのボスニア・ヘルツェゴビナとセルビア人のためのスルプスカ共和国だ。
しかし、新しく作られた国家も不安定だった。民族が住む区域によって分けられたことで、緊張はますます高まり、悲劇や復讐の火種が燻った。また、現在でも貧困に喘いでいる。失業率は60パーセントを超え、セルビア人とクロアチア人が分離独立を望む一方、ボスニャク人は統一を望んでいる。
最近、スルプスカ共和国の政府はこの権力闘争の火に油を注いだ。ボスニアからの独立の是非を問う国民投票を実施することにしたのだ。おそらくは支持者が多数を占めるだろう。だが、これが内乱につながらないとも限らない。
3. サウジアラビアの革命
サウジアラビアのアラブの春は事実上座礁した。チュニジアとエジプトでは独裁政権が瓦解し、リビアで政権が打倒され、シリアは燃え上がった。しかし、サウジアラビアの王族はどうにか権力を手放さずに済んだ。
が、そうでもないのかもしれない。アメリカのシンクタンクによると、サウジアラビアの現在の情勢はエジプト革命当時のそれとよく似ているのだとか。つまり、爆発寸前ということだ。
原油価格の暴落によって、王室は破産寸前に追い込まれている。若者の失業に改善の兆しはない。高学歴の20代の人々も大いに怒りを募らせる。サウード家はムバラク政権と同様に私有化を推し進めて不興を買っている。少数派であるシーア派による暴動もある。さらにイスラム国のテロ。イエメンでの戦争もうまくいっていない。
市民が不満を募らせた結果、革命が起きたとしても不思議はない。そうなれば、エジプト、リビア、シリアが再現されるだろうか。それを知るのは時間のみだ。
2. インド・パキスタンの核戦争
2008年冬、世界は終わりかけた。
国家が支援するテロ問題を巡るパキスタンとインドの対立がエスカレートして、核戦争寸前まで突き進んだのだ。結局は世界各国の外交努力によって事態の沈静化が図られた。だが、両国の緊張は相変わらずで、こうした事態にいつまた再び発展するともわからない。
インド・パキスタンの核戦争はデリー、ムンバイ、カラチ、イスラマバードを火の海にするだろう。数千万人単位の人間が焼かれることになる。これによる核の冬はアジアの作物に波及し、大規模な飢饉が発生。それによる死者の推計は20億人にも上る。
その引き金になりそうなものとして、カシミール問題、パキスタン政府の破綻、パキスタンが裏で手を引くインドへのテロ攻撃などが考えられる。つまり、潜在的な火種が大量にあるということだ。
1. 南シナ海と第三次世界大戦
インド・パキスタンが散らす火花以上に恐ろしいのは、中国とアメリカの対立だ。さらにフィリピン、韓国、日本などの国家が関連するのだからなおさらだ。南シナ海。ここは第三次世界大戦すら引き起こしかねない火種が眠る地域だ。
ここ数年、中国は同地域に積極的に進出している。これはアメリカの同盟国でもある小国を無視する形で行なわれている。アメリカ政府は警告を発しているが、これ対する中国からの回答は脅しだ。両国ともに引くつもりはない。
これが戦争にまでエスカレートしたとすれば、全世界が巻き込まれ、無数の命が失われることになる。第二次世界大戦すらしのぐ人類史上最悪の悲劇が訪れるだろう。
via:10 Horrifying Future Wars We Will Live To See/ translated hiroching / edited by parumo
注:海外からの情報には誤りが含まれていることがあります。できるかぎり情報精査に努めていますが、力及ばす誤りが含まれたままの場合もあります。公開後、誤りを発見・指摘された場合には、順次記事の追記・訂正を行っていますが、外部サイトで閲覧している場合は新しい情報が反映されません。最新の記事は元記事でご確認ください。
▼あわせて読みたい
もし世界が終わるなら?2016年最新版、人類終焉10のシナリオ
日本に原爆を落とした理由は?アメリカ国内で良くある10の質問とその回答
未来の戦争を変える10の兵器とテクノロジー
大火山噴火、スーパーウイルス、人工知能・・・ 科学者が予言する世界終焉を引き起こす可能性がある12のシナリオ(英研究)
100年以内にロボットが人間の文明を終わらせる可能性あり(スティーヴン・ホーキング)
この記事が気に入ったら
いいね!しよう
いいね!しよう
カラパイアの最新記事をお届けします
「知る」カテゴリの最新記事
「自然・廃墟・宇宙」カテゴリの最新記事
この記事をシェア :
人気記事
最新週間ランキング
1位 6259 points | だから植物怖いんだって。殺傷力絶大、世界一危険な庭「ポイズン・ガーデン」へようこそ | |
2位 4434 points | 焼いた肉?生肉?さあどっち?肉食アピールの肉リュックが海外で話題に | |
3位 2768 points | 詳細なる内臓に完全解説。新・ポケモン解剖図鑑「ポケナトミー」 | |
4位 2737 points | 子どもに完全菜食主義を強制する親を罰する法案が提出。最長で6年の懲役へ(イタリア) | |
5位 2403 points | ハシビロコウ先輩、礼には礼をもって尽くすタイプだった。お辞儀をされると更に深々とお辞儀を返すリチギーナなハシビロコウ |
スポンサードリンク
コメント
1. 匿名処理班
話は聞いた!世界は滅亡する!
2. 匿名処理班
当然戦争に巻き込まれたくはないが
日本も他人事じゃ済まないんだなこれが
3. 匿名処理班
中国が不満を国外へ向けるため暴走開始→インドとパキスタンが介入するものの両国国境で戦闘が勃発→混乱に乗じてイスラム過激派が欧州で暴走→食糧難などでサウジ革命、ベネズエラ内乱などの暴動がアジア、アフリカ、南米で勃発→カオス→欧州米豪以外の国の領域は様変わり
4. 匿名処理班
「人類は自ら作った武器で滅びるような愚を犯すことなく、その叡智を持って危機を完全に回避するに違いない」。ウルトラマンの「怪彗星ツイフォン」で彗星ツイフォンが遠い未来にまた戻ってきて今度は地球に衝突すると知った時のムラマツキャップのセリフだ。現実はそれと正反対に向かってるけどね。
5. 匿名処理班
アジア多いなー
6. 匿名処理班
日本人の犠牲者はいないようです。(NHK並我不関感)
7. 匿名処理班
何が始まるんです?
8. 匿名処理班
もう、一度滅んでしまえばいいんじゃないかな、こんな世界
9. 匿名処理班
人類の歴史で1秒でも世界中から戦争無かった時期ってない
もし神がいるのならなんで好戦的な遺伝子を消さずに
残したのだろうな
10. 匿名処理班
中国とインド、火種を内側に溜め込んだまま急成長した国がやっぱり怖いね
パキスタンが核武装したのもかなり痛い
第二次大戦で膿を出し切った国はなんだかんだ成熟しているから
自ら終末戦争の火蓋を切ることはないだろう
11. 匿名処理班
結構な確率で中国がらみだな。
12. 匿名処理班
戦争には勿論反対の立場だが、最近解らなくなってきた。
人間が無尽蔵に殖えることが本当に正しく自然なことなのか
解らない。個体数を調整しているのが戦争なら、人為的では
あるが避けられ無いある意味自然淘汰なのか…
13.
14. 匿名処理班
俺の歌を聴け!
15. 匿名処理班
密かに今回の日露対談で中国ぶっ潰しましょうと話していそう。
露はシベリア、日本はシナ海、それぞれの問題があるから……(?)。
16.
17. 匿名処理班
本当の戦争ってのは、白人同士、もしくは先進国(列強)同士の戦争
いま起きてるのは紛争、テロ
1945年以降戦争は起きてないよ
18. 匿名処理班
自分の無知をさらすようでアレだが、中国がシベリアの領有権を主張っていうのは初耳だ
いや、しかし10項目中3項目で当事者となっている中国は中々の存在感だな
19. 匿名処理班
第三次大戦はもう始まってるっていう見方もできるらしいな
でもまあ日本が直接関わってないだけで常にどっかで戦争しとるもんなあ
ヨーロッパでさえ15年前までは泥沼の地域があったわけだし…
印パは可能性高そうだな……南シナ海もキナ臭いね
20.
21.
22. 匿名処理班
既に勃発している戦争として嫁姑戦争を挙げたい
23.
24. 匿名処理班
日本は望む望まないにかかわらず地政学上確実に米中・米露の戦いに巻き込まれざるを得ない
ロシアと西欧に挟まれてるスイスと、米中・米露に挟まれてる日本は同じ条件下にあるわけで、本来平和ボケは絶対に許されない土地に住んでることを自覚するべきだと思う
25. 匿名処理班
水を巡る世界規模での争奪戦も懸念されますね。
26. 匿名処理班
自国民の不満の捌け口を他国に求める国、搾取の対象として
他国を利用する国、一方的なパートナーシップで他国を縛ろうと文化的侵略や情報統制を強いる国が有る以上、戦争は終わらない。目に見える戦火は見えずとも、今もまだ戦争の火は消えてはいない。
27. 匿名処理班
戦争は嫌だ。
戦争は嫌だが、
戦争が嫌なら抵抗せず従え
お前が従いさえすれば戦争は起きない
ほら、銃を置いて楽になれ
戦争は嫌なんだろう……?
と、我々日本人が言われる日も近い。
どう答えるか、今のうちに考えておかねば。
28. 匿名処理班
中国の基本方針は「三戦」と言って、戦争ではなく政治工作と国際世論の誘導によって合法的に外国の領土を奪う算段がある。(世論戦、心理戦、法律戦)
国際社会に非難されると分かって軍事行動を起こすほど間抜けな国じゃないよ
中国が武力を用いない新時代の3つの戦場を提起してる一方で、日本は未だに「陸海空」の戦力はこれを保持するとかしないとかいう時代遅れな清談に終始してる。孫子じゃないが、日本は戦わずして既に負けている。
29.
30.
31. 匿名処理班
格差が広がり過ぎて世界中不満持った人だらけ
多分格差広げた張本人が戦争で懐潤わせてるんだろうけどな
32.
33. 匿名処理班
中国はルールを作る側にまわらないといけないと思っているからね。
弱い時に欧米が作ったルールを守らざるを得ない状況だけれど、こんどは一緒にルールを作りなおすか自分のルールを押し付けたい。
覇権主義の新興国がこうなるのも歴史の常だね。