発覚後も燃費不正 国交省が三菱自動車に立ち入り検査

発覚後も燃費不正 国交省が三菱自動車に立ち入り検査
三菱自動車工業の燃費の不正問題で、会社が発覚後に行った再試験でも不正な測定を行っていたことが明らかになったことを受けて、国土交通省は2日、東京・港区の三菱自動車本社などの立ち入り検査を改めて行い、不正が繰り返された経緯を詳しく調べています。
三菱自動車をめぐっては、ことし4月、燃費を実際よりよく見せるためデータを改ざんする不正を行っていたことが分かりましたが、発覚後の再試験でも燃費のよいデータだけを抜き出して測定する不正を繰り返していたことが明らかになりました。
これを受けて、国土交通省は2日午前9時ごろから東京・港区の三菱自動車の本社と愛知県岡崎市の技術センターの立ち入り検査を改めて行っています。
燃費の再試験でも不正が行われていたことについて、三菱自動車は国土交通省に対し、「よいデータだけを抜き出す測定の方法について、現場の担当者に不正なものだという認識がなかった」と説明しています。
国土交通省は、会社の経営幹部や燃費の試験を行っていた担当者から話を聞くなどして、不正が繰り返された経緯を詳しく調べ、再発防止策を検討することにしています。

三菱自動車工業は「お客様に迷惑をかけ、大変申し訳なく思っている。国土交通省の検査に全面的に協力し、再発防止に努めたい」としています。

国交相「極めて遺憾な事態 経緯を徹底調査」

石井国土交通大臣は2日の閣議のあとの記者会見で、三菱自動車への立ち入り検査によって徹底した原因の調査を行う考えを示しました。
この中で石井国土交通大臣は「日本の自動車業界の信頼を傷つけたことに改めて猛省を促したい。不正が明らかになった後の再測定でも不正が行われたことは、三菱自動車の姿勢が問われる極めて遺憾な事態だ」と厳しく批判し、国土交通省が2日、三菱自動車の本社などの立ち入り検査を改めて行っていることを明らかにしました。
そのうえで、石井大臣は「今回の事態に至った経緯を徹底的に調査したうえで三菱自動車の再発防止策の取り組み状況を厳しくチェックしたい」と述べて、立ち入り検査によって徹底した原因の調査を行う考えを示しました。
さらに、石井大臣は、平成30年10月に導入する予定の国際的に統一された自動車の燃費のデータの測定方法について、今回の不正に関係する部分については一部を前倒しで導入することも検討する考えを明らかにしました。