赤ワインで記憶力がアップ!?中高生の嘆きは救われるのか?
2016/09/02
夏休みも終わり、これから中高生の最終学年の生徒諸君は半年後に迎える受験に向けてラストスパートの助走を始めないといけませんね。
夏期講習は充実していたでしょうか?
苦手な科目の底上げはできたでしょうか?
私が学生だった頃とは勉強する内容も違うでしょうけれど、いつの時代も変わらないことは
暗記すること
これだけは、誰も逃れることのできない脳作業です。
全ての科目において、暗記は必須。
暗記ができなければ、何も始まらないのです。
だからこそ、いつの時代も記憶力がアップする方法とか、記憶術の広告にちょっと気持ちが傾いてしまうのだ。
どの記憶術が本物であるのかは、やってみないとわからない。
A君には合うけれど、B君には合わない記憶術だってあるだろう。
その理由は脳の神経回路が個々人で異なるからだと思う。
思考マップが違えば記憶の段取りだって違う。
記憶の天才もいれば、応用の天才もいるだろう。
私も学生の頃はどうにかして、コンピューターのようにジャンジャカ何でも記憶できたらいいのにと、自分の脳みそを恨んだもんです。
苦悶の中で学生当時、母が面白そうなことを言ってきた。
「赤ワイン飲んだら、記憶力が良くなるらしいで!」
って、私は未成年ですが?
オウ!その手があったか!
てなわけで、母はやっちゃいました(笑)
いざ、実験ってね!
赤ワインが記憶力アップに良いという情報の理由
赤ワインが記憶力を向上させてくれるという情報の発端は、赤ワインに含まれるポリフェノールらしい。
恐らく、20年前の当時に母がラジオかテレビからその情報を仕入れたのであろうな。
受験生を子供に持つ親の心なのだろう。
そういった、記憶力や勉強方法などに関する情報には敏感になるのだ。
実際に、赤ワインが脳の認知機能に対してプラスに働くということは近年、赤ワインに含まれる「レスベラトロール」というポリフェノールの一種が血管拡張作用を有しており、脳の血流量を増加させることで認知症予防にも効果が期待できるという報告があった。
この報告があったのは2010年。
私が学生だった当時は今から約20年前なので、1996年。
当時のポリフェノールに対する情報真意は解りかねないが、少なくとも赤ワインに含まれるレスベラトロールは1939年にはすでに発見されており、ポリフェノールの抗酸化作用についても研究は進んでいたものと思われる。
ただ、赤ワインに含まれるポリフェノールが注目を浴び始めていたことは確かなようで、フランス人がナッツ類や肉類などの脂質の多い食事を撮る習慣があるにも関わらず、動脈硬化などの心臓疾患による死亡率が低いのは赤ワインをよく飲むことが理由だとされていたからです。
ワインブームが起こったのも1990年代だ。
赤ワインを特集しまくるうちに、そこから派生した記憶力アップという話をメディアがピックアップしたのだろう。
それに感化されたのが、私の母だ。(と思う)
脳の血流量と記憶力の関係
レスベラトロールの効果として論文に発表されているのは、認知症予防など脳の老化に対する事。
脳の老化=物覚えの悪さ
とするのであれば、確かに記憶力アップに繋がるようにも思えるが、これは10あった記憶力が8や6へと低下するのを防ぐという意味と私は捉えています。
なので、中高生の記憶力アップと強い相関関係があるのかどうかはわからない。
しかし、脳の機能というのは血流量に大きく影響を受けることは確かで、脳内の細い血管が詰まるだけで麻痺が出たりするわけです。
記憶というのは、脳の特に海馬という部分が非常に重要な働きをすることが解っている。
海馬を摘出された人は新たな情報の記憶が一切できなくなるというのだ。
いわば記憶の入り口が海馬なんです。
レスベラトロールは海馬への脳神経機能の改善をすることが報告されていることから、記憶の入り口をよりオープンにしてくれることは間違いないだろう。
だが、記憶は入り口も大事だが蓄積も大事だ。
ただ、記憶のメカニズムは非常に複雑であり、短期記憶の積み重ねをいかにして長期記憶に近づけるかという課題に世の中は「記憶術」というノウハウを商品価値を付けて販売しているのだ。
そんなテクニック的な記憶へのアプローチに関しては解りかねないが、血流量を増やすということにおいては、一定の脳の活動ステージを高める効果は期待できると思う。
赤ワインを飲めば記憶力がアップする可能性があっても、アプローチがまずいと記憶力がアップしたという実感を得ることはないとも考えられる。
何もない草が生い茂る大草原の真ん中に一筋の高速道路を作ることができても、そこを速く走る手段(自動車など)が見つからなければ歩いて行かねばならず、目的地(記憶するということ)にはなかなかたどり着かないということですね。
レスベラトロールの健康長寿への期待が下火になった
実は、赤ワインに含まれるポリフェノールであるレスベラトロールには、健康寿命を延ばすのではないか!?という期待の声があったのです。
人類の永遠の夢でもある、秘伝の長寿薬を作れるかもしれない!と研究にも熱が入った。
レスベラトロールに対する長寿への期待があった理由は、長寿遺伝子あるいは抗老化遺伝子と知られるサーチュイン遺伝子の活性化が報告されていたからです。
サーチュイン遺伝子とは、超簡潔に表現するならばDNAがぶっ壊れてしまわないように保護するために働く遺伝子のことです。
DNAは私たち人間のみならず、全ての生物において生きる情報が詰まった「核」と言える。
DNAが破壊されれば、病気になったりするし細胞が死滅してしまうこともある。
それだけ重要なDNAを何とかして、外部から受ける攻撃から守ろうと働くのがサーチュイン遺伝子なのです。
サーチュイン遺伝子が働けば、DNAがより破壊されにくい形に変化させてくれる。
DNAの安定性が上昇すれば、それだけ細胞が安定するということで結果的に長寿が望めるというわけで、このサーチュイン遺伝子が発動する条件は、細胞が飢餓状態など生命の維持において危機的な状況に陥った場合である。
イメージとしては、DNAを冬眠させるような感じ。
ところが、様々な研究結果として得られた内容は抗炎症作用、抗ガン作用、抗肥満作用、抗動脈硬化作用など他のポリフェノールと同様のもの。
長寿への期待があったサーチュイン遺伝子との関係も研究結果が安定しておらず、少なからず影響はあるものの確実性が乏しいと言える。
それに生活習慣病などの健康被害に対する有用性については、十分な臨床データが集まっていないためレスベラトロールが健康保持機能を持つと公には認定されているわけではありません。
一時はレスベラトロールの臨床開発を視野に入れていた企業もあったようだが、現在はデータ不足のため断念している。
赤ワインを煮沸して飲んだ高校時代の感想
私が高校生当時、大学受験に向けて記憶力アップは悩みの種であったし、課題でもありました。
そんな私の心境を察して、赤ワインを飲めば記憶力がアップすると信じた母がとった行動が赤ワインの煮沸。
アルコールを気化させて未成年にでも飲めるようにしようと思ったのだ。
ま、当然私が望んだからやってくれたのだが。
『お前かい!!』
って突っ込まれそうだな(笑)
それだけ、記憶力アップに飢えていたんだよ私は!
ところで、赤ワインを煮沸しただけのものを飲んだことある人いますかね?
ですよねー。
普通は、赤ワインを煮沸しただけのものを飲む人なんていないでしょ。
感想聞きたいですか?
クソまずいです。
それだけ。
もちろん、アルコールを飛ばさずに赤ワインを普通にそのまま飲んだことは当時の私(未成年の高校生)にはありません。
だから、普通に赤ワインが不味いと思っていたのかもしれませんが、渋みが強くて流し込むようにして飲んでました。
一種の罰ゲームな感覚。
で、肝心の記憶力がアップした実感はあったのですか?という問いかけの返答ですが
分かりません!!
そういうことです。
だって、わからないもの。
参考書を見て、スポンジのごとくギュンギュン英単語やらが頭の中に入ってきて定着するという感触はなかった。
成績(偏差値)は予備校に通いだした頃に急激に上昇しましたけど。
自分でも信じられないくらいに。
それが赤ワンの効果かどうかと問われると、わからない。
おそらく、記憶法のアプローチがあまり良くなかったのかもしれないね。
実はノンアルコールになっていない!?煮沸赤ワイン
実は赤ワインを温めて飲むホットワインというものは、ヨーロッパではメジャーな飲み物であるのですが、煮沸しただけで飲むことはまずありません。
「ホットワイン レシピ」とでも検索すればズラリとヒットすると思いますが、基本的にはハチミツを入れたりオレンジスライスを入れたりします。
私のように沸騰させただけのものを飲むのはどうかしてるってわけでしょうかね。
そんなホットワインですが、実はアルコールが全て抜け切るわけではありません。
多少アルコールが飛ぶことは間違いないのですが、完全ノンアルコールになるわけではないということ。
つまり、未成年ながら毎夜飲酒していたってわけですか。
呑んべえやないですか(笑)
どうかわかりませんが、少々のアルコールって酒は百薬の長って言うじゃないですか。
何らかの健康効果が当時あったかもしれないと信じておきましょうかね。