「MKN」は、武蔵小山在住の若者がさまざまな暮らしの実験を展開しているコミュニティです。もともとはお酒を飲むだけの集まりでしたが、現在は地域に根ざした動きも始まっています。第2部では、「MKN」の運営面の実態と、その裏側にあるコミュニティの価値観について、お話いただいた内容を紹介します(記事の第1部はこちら)。
今回ご協力いただいたMKNのメンバー
正太郎さん(中央)…MKN発起人。武蔵小山在住2年。
なつみさん(左)…MKNの女性メンバー。
ゴエさん(右)…武蔵小山に生まれ育つ。農民部の部長。
―MKNのメンバー同士は、「風邪をひいたときに、自宅までおかゆを届けてあげられる」ような信頼関係を築いているというお話でしたね。
メンバー同士はどのようにコミュニケーションを取っているんでしょうか?
ゴエさん:Facebookのグループページやメッセージの活用が中心です。お金のやり取りは、LINE Payでほとんどやっています。
―LINE Pay! どうやって使ってるんですか?
正太郎さん:飲み会など、あらゆる出費の決済をLINE Pay上でやるんです。そうすると、会計時に小銭をやり取りする手間が省けるし、お金の貸し借りがあっても返済を忘れない(笑)。なかなか便利ですよ。
―ずばり、コミュニティ運営のキモは何でしょうか。
正太郎さん:いざという時に頼れる人と繋がっている、スモールコミュニティであることが重要だと考えています。ですから、メンバー同士が信頼し合っている関係でいられるよう気を配っています。
なつみさん:例えば、新しくメンバーが入ってきたときに丁寧に対応しています。その人がMKNに馴染むまで、誘った人がフォローするようにするなど。
正太郎さん:そう。新メンバーが多い時期は、月に一回「親睦会」を実施していたんです。食事してお酒を飲みながら新しいメンバーとコミュニケーションを取ったり、運営体制について話したりする機会としていました。数回重ねると、日ごろ顔を合わせるなかで自然と意思疎通できるようになってきたので、今は「親睦会」はやっていません。
ゴエさん:定例の会がなくなっただけで、メンバー同士でしょっちゅう飲みに行ったり、ご飯を食べたりはしています。
正太郎さん:ある意味、排他的になってきているとも言えますが、コミュニティが大きくなりすぎると価値観を共有するのが難しくなってきます。ほどよく流動的な空気を保ちながら、ここに残るメンバーで一緒にいられれば良いかな…と考えています。
メンバーの自宅で開催された、「食を考える」をテーマにした食事会
―MKNの活動をしていて良かった、と感じるエピソードを教えてください。
なつみさん:食材のおすそ分けが日常的な出来事になりました。野菜を買いすぎてしまったり、実家からたくさん送られてきてしまった場合などに分け合っています。
ゴエさん:DIYの空気が広がりましたね。自分たちで作れるものは、力と知恵を出し合って作り上げる。メンバーの模様替えや、何かの修理の際は、手を動かすのが好きなメンバー同士で集まっています。
正太郎さん:それから、引っ越しなどで家電や自転車が要らなくなった場合に、メンバー同士で譲り合ったりしていますね。
―“ご近所”のコミュニティとはどうあるべきだと思いますか?
ゴエさん:若い世代は「ご近所付き合い」ってちょっと面倒に思ってる人が少なくない。ですが、今はどんなコミュニティに属するかを個人が選択できる時代です。入りたいコミュニティがなければ、自分たちで生み出すことも可能です。価値観が似ている者同士で集まって、生活の一部を共有すると、お互いの暮らし方がどんどん豊かになっていくな…と、僕はMKNを通じて感じています。
なつみさん:何より、困ったときに信頼する人の顔をすぐ見られるのって安心です。有事の際に限らず、仕事やプライベートで悩んだときもすぐ会うことができますから。
夏の小旅行でのひとこま
最終章では、MKNのみなさんがマチマチをどんな風に活用しているか、これからどんなコミュニティを目指していくか、さらに掘り下げて聞いたお話を紹介します。
MKNの活動を参考に、ご近所付き合いを深めてみてはいかがでしょうか。ぜひマチマチも活用してみてください!