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北沢かえるの働けば自由になる日記 このページをアンテナに追加 RSSフィード Twitter

2016-08-29 並んでわかった

続くこと、日常であること、美しいこと

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娘がフランスから帰ってきた。

滞在した街は、中世の昔からの建物が残っているようなところで、その街並みに感動したそうだ。

「行ってみてわかったんだが、『世界遺産に選ばれたい』と思っても、日本のものは難しいよね。だって、世界遺産を選ぶ人たち、ヨーロッパの人たちはあんなきれいな街に住んでいるんだもの。しかも、きれいだとか、貴重だとか、歴史的価値があるだけじゃなくて、そこを今も使って、生活しているわけでしょう。そこが日本はいちばんダメだよね。『ここは世界遺産だから』と一部分を囲って、大事にしているんじゃダメ。世界遺産のある環境全体が維持されていて、人々がその遺産も含めた、歴史や生活を守ろうとしている。意識が違い過ぎて、かなわないなと思ったよ」


娘がフランスで通った学校は、もともとは歴史的な建造物の中にあったそうだが、手狭になったので、学校自体がそこから動いて、新しい土地に移ったそうだ。そして、元学校は、そのまま美術館に転用されたそうだ。

「日本だったら、たぶん、壊して新しくそこに建てたと思うんだよ。土地が狭いし、高いから仕方ないというけどね、古いものを生かしていこうって意識は低いよなぁ」



「遺産」というと「先人から残されたもの」と思うが、フランス人にとっては「伝える価値があるもの」みたいな意識かもなぁ。今の我々にも価値があるものだから、愛して使い続ける。ってのが、日本の「世界遺産」には足りないのかもね。例えば、カルカソンヌとか、あそこに人がまだ住んでいるってのに驚くよ。

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