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» 2016年09月02日 05時30分 UPDATE

約40の生産者団体が出店:ぐるなび、「うめきた」で青空市場 TPPにらみ「稼ぐ農業」を都会で (1/3)

ぐるなびが、農産物などを生産者に直接販売してもらう取り組みを強化している。青空市場を開催し、生産者と消費者に“食”を通したコミュニケーションの場を創出。食材のおいしい食べ方などの情報発信を目指す。

[産経新聞]
産経新聞

 飲食店検索サイト大手、ぐるなびが、新鮮で旬な農産物や加工品を生産者に直接販売してもらう取り組みを全国の都市部で強化している。7月には、JR大阪駅北側の複合商業施設「グランフロント大阪」のうめきた広場で、「Umekiki Marche(ウメキキ・マルシェ)」を初めて開催。生産者と消費者に“食”を通したコミュニケーションの場を創出し、食材のおいしい食べ方などの情報発信を目指す。安倍晋三政権は環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)をてこに「稼ぐ農業」への農政転換を成長戦略の要としており、ぐるなびの取り組みは農家にとってチャンスになりうるかもしれない。(栗井裕美子)

生産者と消費者をつなぐ試み

 「グランフロント大阪」前のうめきた広場で7月22〜24日に開かれた青空市場「ウメキキ・マルシェ」には、関西を中心に約40の生産者団体が出店した。トマトやナスなど色鮮やかな夏野菜や、イチジクやモモなどの果物のほか、ジュースやドレッシングといった農産物の加工品が店頭にずらりと並んだ。

 生産者からトマトの味や性質などに関する説明を受けたあと、パスタなどで使うトマトソースを試食した岡山市中区の会社員、徳田ちなみさん(22)は「苦手なトマトがこんなに食べやすいなんて」と驚いていた。

 ぐるなびはグランフロント大阪が開業した平成25年に、うめきた広場の一角に旬の農産物に関する情報を提供する「SHUN*SHOKU LOUNGE(旬・食 ラウンジ)」を設け、生産者と消費者をつなぐ小規模なマルシェを開催するなどしてきた。

 こうした取り組みは消費者にも人気で、ぐるなびはグランフロント大阪からの要請に応え、出店団体を2倍以上に拡大した大規模なマルシェを運営することにした。今後は毎月1回のペースで開く計画という。

生産者から説明を受けながらトマトソースの試食をする来場客たち=大阪市北区のグランフロント大阪うめきた広場
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