
台風10号、北海道・岩手でなお20人安否不明
北海道や東北に大きな被害をもたらした台風10号、現在も20人と連絡が取れない状態となっています。
校庭に残された助けを求めるメッセージ。岩手県岩泉町では5つの地区に孤立集落があり、17人の安否が確認できない状態が続いています。捜索隊が向かったのは、町役場からおよそ16.5キロ離れた安家地区。中心部につながる道路が崩れ、交通手段を失いました。捜索隊は、橋に積み上がった流木を乗り越え、安家地区に到着。この地区でも、車が横転したり、建物が大きく傾いたりするなど、甚大な被害が出ていました。
「全然情報が入ってこないということで、今から一軒一軒、ローラーで捜索していく」(捜索隊)
林の中を抜け、さらに奥へと進みます。そして、孤立集落に到着。
「きょう、初めて消防の人が来て、ひと安心です」
「(近所に)9月3日(あさって)出産予定の妊婦がたまたま実家に来ていて、今、出られないような状態」(孤立していた集落の人)
捜索隊が到着し、妊婦は1日、ヘリコプターで病院に運ばれました。
町内のグループホーム「楽ん楽ん」では、入所していた9人が犠牲になりました。その中の1人、三浦敦子さんの長男が1日、JNNの取材に応じました。敦子さんは最後まで家族のことを心配していたといいます。
「(母から)『今、ご飯もらって食べたから、あとは休むだけだから、お前たちは逃げろ』って電話が入ったんです。優しい母親でしたね」(三浦敦子さんの長男 三浦茂幸さん)
三浦さんの家族は、5年前の震災でも家が流されていました。
「ごめんしかなかったですね。2回もつらい思いさせて申し訳なかったなって」(三浦敦子さんの長男 三浦茂幸さん)
突然失われた日常。ライフラインも寸断される中、多くの人が斜面から流れる水をくみに訪れていました。
「家で手洗いとかそういうのに使います」(水をくみに来た人)
政府の調査団は1日、現地に入り、被害状況を確認。長靴を履いてこなかった務台復興政務官が背負われて移動する場面もありました。
「予想以上に現場がひどい状況だということを改めて確認しました」(務台俊介復興政務官)
北海道では、崩落した橋から川に転落し、行方不明となっている3人の捜索が続けられています。このうち、大樹町では、川に転落したRV車が見つかりましたが、運転していた鈴木洋平さん(28)の姿は見つかっていません。
農作物にも大きな被害が出ています。泥をかぶったジャガイモやビーツ。
「ここまでの被害が出るとは、ちょっと想像できなかった」(生産者)
南富良野町の橋の周囲には、流されてきたニンジンが散乱していました。
町が濁流にのみ込まれてから2日、被害の全容はいまだ見通せない状況です。(01日17:56)



























































































































































































































