安倍晋三首相は、北方領土問題の進展を見据えロシアへの包括的な経済協力を先行させるため、新たに「ロシア経済分野協力担当相」を設け、世耕弘成経済産業相に兼務させることを決めた。1日、世耕氏を官邸に呼んで兼務を発令した。今年5月にロシア南部ソチでの日ロ首脳会談で提示した極東開発など8項目の経済協力について、具体化を進める。
2日にロシア極東ウラジオストクで行われるプーチン大統領との会談で、こうした方針を説明する。ロシアが北方領土の実効支配を強める中、日本側の取り組みを示すことでロシア側の軟化を引き出し、領土問題進展につなげたい考えだ。