中国の習近平国家主席の威信が揺らぎかねない事態だ。中央アジア・キルギスの首都ビシケクで30日、中国大使館に自動車が突っ込み自爆するテロ事件が発生したのだ。中国・杭州では9月4、5の両日、G20(20カ国・地域)首脳会議が開かれるが、東・南シナ海での軍事的覇権や、他国での強引や経済開発が議題となる可能性が高まった。
中国の在外大使館を狙った自爆テロが確認されたのは初めて。関係者によると、自動車に乗っていた容疑者が死亡し、大使館勤務の地元職員3人と警備員2人の計5人が負傷したという。
キルギスと隣接する中国の新疆ウイグル自治区では、激しい抑圧政策の下、反発したイスラム教徒のウイグル族の住民による暴力事件なども起きている。キルギスも人口の4分の3がイスラム教徒。ロシアの一部メディアは地元識者の話として、キルギスに約5万人が居住するウイグル人の独立派による犯行の可能性を報道した。
キルギスでは、習氏が提唱するシルクロード経済圏構想「一帯一路」に沿った経済開発が進められているが、こうした動きに対する反感が背景の可能性もあるという。