ドーピング問題 裁定取り消し求めてロシアが提訴

ドーピング問題をめぐるCAS=スポーツ仲裁裁判所の裁定によって、ロシア選手団のリオデジャネイロパラリンピックへの出場が極めて厳しくなったことを受け、ロシアパラリンピック委員会は、裁定の取り消しを求めて、スイスの裁判所に訴えを起こしたことを明らかにしました。
ドーピング問題をめぐる今月23日のCASの裁定によって、来月7日に開幕するリオデジャネイロパラリンピックに、ロシア選手団が出場することは極めて厳しくなっています。

これを受けて、ロシアパラリンピック委員会のルキン会長は26日、インターファクス通信に対し、裁定の取り消しを求めてスイスの裁判所に訴えを起こしたことを明らかにしました。
ロシアパラリンピック委員会によりますと、審理は週明けの29日に行われるということです。
また、ルキン会長は、ロシア選手団のパラリンピック出場が最終的に認められなかった場合、モスクワ郊外で、代わりとなる競技大会を開催する考えを示しました。

ドーピング問題をめぐるCASの裁定については、プーチン大統領が「人間性のかけらもない決定だ」などと強く反発しています。
今回の提訴がロシア選手団のパラリンピック出場につながることはないとみられていますが、ロシアとしては、政府主導のドーピングが認定された中、法的措置をとったことをアピールすることで、国内の批判をかわす狙いもあるものとみられます。

ロシアは事実上参加できない状況に

CASが23日、ロシア選手団のリオデジャネイロパラリンピックへの参加を認めないとしたIPC=国際パラリンピック委員会の決定を支持する裁定を出しました。
これを受けてIPCは、ロシアが確保していた267人分の出場枠の再分配を決め、日本からも新たに5人の選手の出場が決まるなど、すでに手続きが進んでいます。
リオデジャネイロパラリンピックの開幕が来月7日に迫る中で、ロシア選手団は、事実上大会に参加できない状況となっています。