東京五輪招致めぐる贈収賄疑惑 違法性なしと結論
2020年東京オリンピック・パラリンピックの招致をめぐる贈収賄疑惑で、JOC=日本オリンピック委員会の調査チームが、1日に調査結果を報告し、当時の招致委員会が行った金銭の支払いに違法性はなかったと結論づけた一方、手続きの透明性に問題があったと批判しました。
東京大会の招致をめぐっては、日本の銀行の口座からIOC=国際オリンピック委員会の当時の理事だった国際陸上競技連盟の前会長の息子に関係すると見られるシンガポールの会社に、およそ2億2000万円が振り込まれたとして、フランスの検察当局が贈収賄などの疑いで捜査しています。
これを受けて、JOCがことし5月に設置した弁護士などからなる調査チームは、招致委員会とこの会社とのコンサルタント業務の契約に違法性がなかったかどうかなど3か月にわたる調査を行い報告書をまとめました。
報告書で、調査チームは「契約を結んだ会社はスポーツ大会の招致に実績があり、契約が架空だったという証拠はない。招致委員会関係者は、オリンピック関係者への贈与の認識を持っていなかった」と認定しました。そのうえで、「契約の内容や締結過程が法律に違反することはない。また、フランス刑法上の犯罪を構成するものではなく、IOCの倫理規定への違反も見いだすことはできない」として、金銭の支払いに違法性はなかったと結論づけました。
その一方で、招致が成功した後に会社側に報酬を支払うことが理事長に事前に説明されず事後報告になったことに触れ、「招致委員会はいわば寄り合い所帯的な雰囲気を呈していて、相互の意思疎通が十分になされていなかった。手続きの透明性に一定の問題があった」と批判しています。
記者会見した調査チームの座長の早川吉尚弁護士は「『招致委員会が贈賄をしようとしたのか』という一番肝心な問題では、長時間をかけて厳しい態度で国内外の34人の関係者から聞き取りができた。疑いがクリアに晴れたと思う」と話していました。
これを受けて、JOCがことし5月に設置した弁護士などからなる調査チームは、招致委員会とこの会社とのコンサルタント業務の契約に違法性がなかったかどうかなど3か月にわたる調査を行い報告書をまとめました。
報告書で、調査チームは「契約を結んだ会社はスポーツ大会の招致に実績があり、契約が架空だったという証拠はない。招致委員会関係者は、オリンピック関係者への贈与の認識を持っていなかった」と認定しました。そのうえで、「契約の内容や締結過程が法律に違反することはない。また、フランス刑法上の犯罪を構成するものではなく、IOCの倫理規定への違反も見いだすことはできない」として、金銭の支払いに違法性はなかったと結論づけました。
その一方で、招致が成功した後に会社側に報酬を支払うことが理事長に事前に説明されず事後報告になったことに触れ、「招致委員会はいわば寄り合い所帯的な雰囲気を呈していて、相互の意思疎通が十分になされていなかった。手続きの透明性に一定の問題があった」と批判しています。
記者会見した調査チームの座長の早川吉尚弁護士は「『招致委員会が贈賄をしようとしたのか』という一番肝心な問題では、長時間をかけて厳しい態度で国内外の34人の関係者から聞き取りができた。疑いがクリアに晴れたと思う」と話していました。
招致めぐる疑惑 経緯は
この問題は、WADA=世界アンチドーピング機構の第三者委員会が、ロシアの一連の組織的なドーピングを調査していたなかで、ことし1月、2020年東京オリンピック・パラリンピックの招致をめぐり、日本側が国際陸上競技連盟などに多額の協賛金を支払ったと指摘したことがきっかけでした。
指摘を受けてフランスの検察当局が捜査を開始し、5月には、日本の銀行口座から国際陸連のラミン・ディアク前会長の息子に関係すると見られるシンガポールの会社に、東京大会招致を名目に2回に分けて、合わせておよそ2億2000万円が振り込まれたとして、贈収賄の疑いで捜査していると公表しました。
検察当局は、東京が開催都市に選ばれた2013年9月、ディアク前会長がIOC=国際オリンピック委員会の委員を務めていたため、開催地の決定に影響力を行使できる立場にあったと指摘しています。
一方、当時、招致委員会の理事長を務めていたJOC=日本オリンピック委員会の竹田恒和会長は振り込みを認めたうえで、「招致計画作り、ロビー活動など多岐にわたる招致活動のコンサルタント料で、正式な業務契約に基づく対価として行ったものだ。なんら疑惑をもたれるような支払いではない」などと主張していました。
そのうえで、JOCはシンガポールの会社との契約に違法性がなかったかどうかを調べるため、弁護士2人と公認会計士1人からなる調査チームを5月25日に設置し、調査チームは契約に関わった当時の招致委員会のメンバーから聞き取りを行ったり、会社の実態をシンガポールで調べたりして、違法性の有無や実態解明につとめてきました。
指摘を受けてフランスの検察当局が捜査を開始し、5月には、日本の銀行口座から国際陸連のラミン・ディアク前会長の息子に関係すると見られるシンガポールの会社に、東京大会招致を名目に2回に分けて、合わせておよそ2億2000万円が振り込まれたとして、贈収賄の疑いで捜査していると公表しました。
検察当局は、東京が開催都市に選ばれた2013年9月、ディアク前会長がIOC=国際オリンピック委員会の委員を務めていたため、開催地の決定に影響力を行使できる立場にあったと指摘しています。
一方、当時、招致委員会の理事長を務めていたJOC=日本オリンピック委員会の竹田恒和会長は振り込みを認めたうえで、「招致計画作り、ロビー活動など多岐にわたる招致活動のコンサルタント料で、正式な業務契約に基づく対価として行ったものだ。なんら疑惑をもたれるような支払いではない」などと主張していました。
そのうえで、JOCはシンガポールの会社との契約に違法性がなかったかどうかを調べるため、弁護士2人と公認会計士1人からなる調査チームを5月25日に設置し、調査チームは契約に関わった当時の招致委員会のメンバーから聞き取りを行ったり、会社の実態をシンガポールで調べたりして、違法性の有無や実態解明につとめてきました。
官房長官「最高の大会となるよう取り組みたい」
菅官房長官は午後の記者会見で、「今回の契約に関して、『わが国の国内法、あるいはIOCの倫理規定に違反するものはない』という結論だったとの報告を受けている。政府としては、主催者である東京都や組織委員会と連携し、4年後に迫った東京オリンピック・パラリンピックを成功裏に行い、最高の大会となるように、しっかり取り組んでいきたい」と述べました。