サービス。

実はいま、極秘任務で(ウソ)札幌にいる。で、定山渓温泉の鹿の湯というところに泊まっている。今日1泊だけ。

なんで来たかというと、本業とは一切関係ない。かつて台北で知り合い、通訳とかいろいろやってくれた大学生姉妹がいるのだが(俺はオタクの妹と仲がよかった)、その姉のほうが、日本語検定2級に合格して、今年の4月からこの宿で働いているという話を聞いていたから、来てみたのだ。

まぁ、検索すりゃわかるが、別にたいしたことない宿だ。だからなんか用事のついでにいこうと思っていたのだが、たまたま日程が空いたのと、エクスペディアのポイントがたまっていたのでタダで泊まれるから来たのだ。飯や部屋には全く期待もしていないし、そもそも、文句も言うつもりもない。まぁ、鹿の湯も、その姉を雇ったのは、”中国語と日本語が完全に話せる人間を雇っておくと、シナ人観光客が来たときに便利だから”とかその程度の理由だろう。ここは、日本人からはさすがにぼったくれないが、シナ人からならぼったくっても平気な宿だ。日本人なら・・・まぁ、旅行慣れしている人なら星ひとつとかになってしまう恐れが高い宿だ。

でも今回は、宿のクオリティーを云々言う更新ではない。

いや、俺はちょっと腹が立っているのだ。

なぜか。

チェックインの時「実は今年の4月あたりから○○さんという台湾の女の子がこちらの宿で働いているという話を聞いて泊まりに来たのです」と言ったのだが、フロントの男は

「あー、なんかたくさん来てるから、誰か・・・(わからない)」

みたいな対応。カチンと来た。もう、「宿をもり立てよう」等という気持ちは皆無だね。明らかに「その他大勢の従業員知りません」みたいな、同じ従業員を見下しているような奴がフロントにいる時点で、話にならん。まぁ、その程度だからこの程度の宿なんだろうと思って、あきらめて部屋に入った(もちろん、部屋までの案内とかもないし、仲居さんがお茶入れてくれたりとかもありません!)。値段も安いししょうがないんだろう。系列では高い宿をやっているらしいが、ここがこれなら、高い方も泊まるまでもないサービスレベルだろう。

・・・腹立ちが収まらない、というか、もう少し書く。題名の「サービス」について。

これはサービスの問題だ。別に、その子に「今すぐ歯ブラシ持たせて俺の部屋に来させろ!」とか言っているわけじゃないのだ(高畑か!・笑)。そうじゃなくて、「宿を決定する大きな材料、お客さんが選んでくれた決め手」になったのが自社の従業員であるならば、それは宿にとっていいことではないだろうか。それに対してなんの気づきもないんだ。道民はその程度か。

俺はその姉が働いていないのなら、こんな所タダでも泊まらない(笑)。

俺が期待した対応としては、「そうでございますか。わざわざありがとうございます。お伝えします」が最低限。もっとちゃんとしたところなら「出勤であればあとでロビーの方におよび致します。お探ししてから部屋の方にご連絡差し上げますので、まずはお部屋でお休みください。万が一、本日○○がお休みをいただいておりましたら申し訳ございません」くらいは言うよ。沖縄のナハテラスなんかもうとんでもなく対応いいからどうしても比べてしまうのだが。

サービス、というのは、こういう一つ一つの積み重ねじゃないだろうか、と俺は思う。段々低きに流れ、「小さな一つ一つ」が少しずつ崩れていくから、シナ人に売上を頼るような状況になるのではないだろうか。まぁ、そういう方針なんだろうからしょうがないけど。

温泉宿であれば、ネット全盛の時代、悪さはすぐ伝わる。客が宿を決めるポイントには、もちろん宿の設備、内装、温泉の質もあるが、それでも、従業員の質というのは大きいんじゃないだろうか。俺の場合だが、事実、沖縄のナハテラスなんてエアコン夏場に効きが悪くて、そのくせ宿泊料は高いしふざけんなと思うんだが、従業員の態度がとてもいいので定宿にしている。そういうものもあるのだ。

サービスとは、「客にものを売った、泊めた、飯出した」とかで終わるものではないだろう。宣伝に勝る広告はリピーターである。

書き出すまでは頭にきていたので、札幌の観光協会のドンに電話して「ちょっと文句言ってくれよ」とやろうかとおもったのだが、大人げないのでやめた。それと同時に、ここにいる意味は何もなくなった。別に定山渓温泉なんていつでも来れるし、何も一人でぽつんとボロい部屋にいて適当な温泉に入っても楽しくもなんともないからだ。飯だって二条市場の「魚屋の台所」よりうまいわけがない。

何年か前ならギャンギャンクレーム入れたところなのだが、もう、人に期待をしないことにしているので、ヒトに直接怒ることも少なくなった。だからせめて更新のネタにさせていただいた。

ここをご覧の皆様でも、サービス業に従事する方はたくさんいるだろう。サービスなんてのは客個人、一人一人満足度が違う。だから、追求に終わりはない。でも、それを追求し続けるところが必ず勝つ・・・つまりまじめにやるところが結局売上もよくなるものと思う。だから、こうやっていやな思いをした客の体験を読んでいただいて、なにかの参考にしていただければ幸いである。

・・・確認していないが、「定山渓温泉の鹿の湯はシナの資本ですからしょうがないですよ」とかだったらもう、そもそも、腹を立てた俺が間違いで、シナ人じゃダメだ、ということになるのだが。

-貴様ら!俺の言うことを聞いてみませんか?