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【競馬・ボート・競輪】

[ボート]GIウェイキーカップあす開幕 本誌注目選手・角谷健吾に聞く

2016年8月31日 紙面から

ウェイキーカップへの意気込みを語った角谷健吾

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 開設62周年記念GI「ウェイキーカップ」があす9月1日から6日間、多摩川ボートで開催される。ベテラン、中堅、若手とさまざまな年代から構成される地元10戦士がホームプールに大集結。その中でも、本紙注目選手として今回取り上げるのは角谷健吾。東京3場で一番の好成績を誇る多摩川水面。どんな状況下におかれても全力プレーは当たり前。常に努力を怠らないひたむきな姿勢と勝負魂は誰にも負けない。

      ◇

 東京支部きっての多摩川巧者・角谷健吾が今年2度目のGIレースに出陣する。地元3場の中でも出走回数、1着回数、勝率、2連対率、優出に優勝はいずれもトップの数字だ。40歳を越えてなお進化を続ける秘策はどこにあるのか。その理由を探るべく、お盆レース直後に話しを聞いた。また、直属の後輩・鈴木雅希と家が近い後藤盛也の若手2人も駆けつけ、角谷の魅力を語りつつ、応援団を買って出てくれた。

 ――どのようにしてこの世界に飛び込むことになったのか。そのきっかけは

 角谷「高校を卒業して目標がなかったとき父に勧められて。なりたいなりたいで選手になったわけじゃない。適当な感じで選手になった。デビューして2、3年は全然まじめじゃなかった。2年ぐらいで『8項(※別解)』になって。あれでさすがに『このままじゃヤバイ』とまじめにやって(苦笑)」

 ――デビュー当時はいまから20年以上も前。デビュー戦、初1着にフライングと波乱に満ちた1節間

 角谷「デビュー戦は覚えてますよ。向かい風が強かったときで、2周目のホームであおられて転覆。欠場しました…。(2走目で初1着は)たまたまコンマ02のスタートで締めまくりですね。それで最終日にはフライング。4日目に拓ちゃん(同期の奥平拓也)がピンピン(連勝)いって、すごいまくりを決めて、オレも負けてらんねーと」

 ――休日の過ごし方は

 角谷「オフは大体、嫁と買い物に行ったり、食べ歩いたり。暇ができたらサウナ。2日にいっぺんぐらいはね。いまは前検が52kgぐらいで入ってレース中は2kgぐらい減らす。それはすごい疲れますね。レース場でも疲れがたまってるままでいってるし、違うオフの過ごし方をしないといけないと思ってます」

 ――角谷選手にとってボートレーサーとは

 角谷「仕事ですね。楽しいと思ったことは一度もない! 若いときは目標を持たずにやってたので、楽しいと思ったけど。いまは不安が先行しますね。若くないから2本(フライング)は切れない。今期も期始めにFしたし、前期もそうだし。メンタル的に『またやっちゃった』と。やるだけやってA1になれなかったらどうしようって…。難しいな。キツイ面もあるから。一番は減量。あとは(宿舎で)拘束されちゃう(苦笑)。だから前に帰りの新幹線で(鈴木)雅希はデキ上がってたもんな(笑)」

 鈴木「解放された感じと安堵(あんど)感とですね(笑)」

 ――同期にはボート界のトップに君臨する山崎智也がいる。SG常連の深川真二もいる。登番1個違いにはSGタイトルホルダーの馬袋義則。先月、2度目のレディースチャンピオンを制した海野ゆかりと層が厚い

 角谷「あいつ(山崎)顔とか振る舞いはやさしいけど、負けず嫌いなところがすごくある。オレはマイペースで頑張る」

 ――養成期こそ違えど同学年には田中信一郎、太田和美、仲口博崇ほか、そうそうたる顔触れが並ぶ

 角谷「普通は下降していく年代じゃないですか。30台半ばが一番脂が乗ってるのかな。でも、オレの年代は強い人がすごくいる。キャラも濃いし(笑)。40歳を越えてヤル気を出した。それは自分でも偉いと思ってる(笑)。しがみつかないと。クラシックとかで5、10回と(区切りの出場で)表彰だから(現在クラシックは4回出場)。だからもう1回行きたい。実際はSG(出場)が毎年の目標」

 ――今年は前半だけでSG3回の出場

 角谷「蒲郡(グランドチャンピオン)のときもスタンドの声援がすごく聞こえた。待機行動で肌で感じて、こういうところで走らないと幸せじゃないと感じましたね。SGは行きたいと思ってやっと行けてる状態で…。そこで活躍したいと思ってるけど、オレなんかは半分あきらめちゃってる。松井(繁)さんがいて井口(佳典)なんかがいて…。そういう人はそういう思い(優勝)でやってる」

 ――そうはいっても東京を代表する角谷選手。若手2人から見た印象は

 後藤「やさしいっていうか自然体って感じで。その中でも熱い気持ちがある。レーサーとして、人としても憧れる存在です」

 鈴木「父と角谷さんのレースは観てます。見本とする、道中の走り方を勉強させてもらってます。早く同じ舞台で走りたいです」

 角谷「お父さんはいくつなの?」

 鈴木「角谷さんと一緒です!」

 角谷「エェーッ、そうなの!」

 ――角谷選手から2人に対して何かアドバイスは

 角谷「頑張ってほしいっていうか、まだ頑張り方が分からないんじゃないかな。僕も始めから頑張ったタイプじゃなかったから。目標を持つことが大事。そこで自分が何をしなきゃいけないのかが分かってくる。いまの目標は2人ともB1でしょ? ただ、B1になるための努力をしてもダメ。(勝率)5点取るための努力をしなさい、と。考えて行動して、準備を。楽ではない。つらいけどその都度、壁に当たる。でも、それはどんな世界でも一緒だから」

 ――今回の舞台、多摩川にはどのような思いが

 角谷「一番いい思いをさせてもらってるレース場だし、優勝できたらいいかな。あっ旋も多いし、正月レースとかで何回も優勝させてもらってるイメージもある。GIに呼んでもらえてうれしいですよ。活躍したいですね。あとは自分次第かな」

 ――通算1500勝も目前に迫ります。今大会への意気込みを最後に

 角谷「だいぶ平和島で取りこぼしましたから(苦笑)。どうせなら多摩川で(その後の鳴門で4勝して現在1499勝)。減量はきついけど後輩も目標のB1へ、アイツらもがんばってると思えば頑張れる。調子が悪い時期ではあるんですよ。でも、まずは準優を目標に頑張りたい! 本当に自信がないけど(苦笑)」

<角谷健吾(すみや・けんご)> 1972(昭和47年)12月24日生まれの43歳。161センチ、52キロ。血液はO型。東京都出身。東京工科専門学校中退。選手養成71期生、東京支部所属。同期には山崎智也、馬袋義則、深川真二、海野ゆかり、岩崎芳美、川北浩貴らがいる。92年11月・平和島でデビュー(S展示転覆により欠場)。2走目で初1着。99年・新鋭王座決定戦(住之江)でGI初出場。00年・関東地区選手権でGI初優勝。SG初出場は00年・オーシャンカップ(宮島)。GI1回を含む通算優勝回数は56。家族は妻と2人。

 

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